閉経を必要以上に怖がらない


 

iStock.com/miya227 ※画像はモデルを起用したイメージです

 

なかには「閉経=女性ではなくなる」という感覚を持っている人がいるかもしれませんが、閉経したからといって女性でなくなるわけでは、当然ですがありません。 もちろん個人差はありますが、むしろ更年期が落ち着いた後は、ホルモンバランスの変化に体調が左右されなくなり、元気でいられるほどです。 閉経後でも、膣からの分泌液がなくなることはありません。膣の分泌液は細菌が体内に入り込むのを防ぐ役割も果たしており、性感染症などの病気に対抗しています。 ですから閉経しても、分泌液は変わらず分泌されます。急に濡れなくなるということはなく、性交渉ももちろん可能です。 ただし潤い不足を感じたり、膣が萎縮して痛みを感じたりすることもあります。そうした場合は無理をせず、潤滑ゼリーを使うなどの工夫をするのがよいでしょう。

閉経は私たちの体に確実に起こることであり、決して怖いことでもつらいことでも、悲しいことでもありません。必要以上に怖がらず、やがて来るその日を順調に迎えられるよう、準備を整えておきましょう。

 

〈参考資料〉
『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科』(メディックメディア)(※1)(※2)
閉経とは? 専門医にきく5つの基本 | メディカルノート
閉経 - 22. 女性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版

 

文:山本尚恵(医療ライター/レディース予防医学指導士)