閉経の「早いor遅い」が体に与える影響
女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、女性の体の健康維持において、さまざまな重要な役割を果たしています
(上図参照)。 エストロゲンが低下するということは、これらの働きが弱まるということ。 このためこの時期の女性に、コレステロール増加による「脂質異常症(高脂血症)」
血液凝固による「動脈硬化」「虚血性心疾患」
骨量低下による「骨粗しょう症」などが起こりやすくなるのです。
このため、いくら閉経を迎える年齢に個人差があるといっても、あまりに早すぎるのはよくありません。 40歳未満で卵巣機能が低下し、閉経と同じような状態(生理のない状態が4~6か月間続いている)になると「早発卵巣不全(POF/POI)」という病気と診断されます。 40歳未満の女性の1%に、こうした症状が見られるといわれています
(※2)。遺伝や環境、自己免疫性疾患などが関係して発症すると考えられていますが、多くは原因不明です。 閉経後の体は、先に説明したような病気のリスクが高まるため、40歳未満という早期に閉経と同じ状態が生じた場合、治療を行ってリスクを抑えます。 治療方法は妊娠を希望するかどうかによって異なり、希望しない場合は「ホルモン補充療法」を、希望する場合は「カウフマン療法(ホルモン療法を行って排卵を促す方法)」をとります。 また、閉経は遅くても50代後半には訪れ、60歳を超えても生理があることは基本的にありません。60歳を過ぎた出血は不正出血と考えてよいでしょう。 この場合、子宮体がんの可能性もあるため、詳しい検査をしたほうがよさそうです。