子どもの腹痛「注意すべき病気」は?


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子どもに起こる腹痛の大半は自然に良くなったり、薬や浣腸などで治療を行えば改善します。 しかしなかには、すぐに治療をしなければ命に関わる病気も。強い腹痛や長引く症状は、甘く見てはいけません。

 

<急性虫垂炎>
大腸と小腸の境目付近にある「虫垂」という部位に炎症が生じる病気、俗に「盲腸」と言われます。

一般的には右下腹部が痛むと思われがちですが、発症したばかりの頃はお腹の中心あたりが痛み、徐々に痛みが左下腹部に移動していきます。


子どもの場合は虫垂の壁が薄いため、治療が遅れると破れて腹膜炎を引き起こすことも少なくありません。


また典型的な症状が現れにくいこともありますので、歩くのさえ困難な強い腹痛には注意が必要です。

 

<腸重積(ちょうじゅうせき)
腸管の一部が先の腸管にスッポリ入り込んでしまう病気。血行が悪くなるため治療が遅れると腸が壊死し、危険な状態になることもあります。

多くは生後半年~2歳頃に発症し、15~20分おきの非常に強い腹痛が生じます。胃腸炎の後に起こることも多いためぶり返したと思われがちですが、明らかに痛がり方が異なります。


また、腸からの出血で「イチゴゼリー」のような便が見られるのも特徴です。