夫婦問題のカウンセリングの中で「激減した夫婦生活を増やすことは可能でしょうか?」という質問をされることがあります。結論から言うと「可能」です。でもこれには、工夫と根気で「夫婦の間の距離」を縮める努力が必要です。キーワードは「じっくりゆっくり」。具体的な方法を心理士が解説します。
「セックスレス夫婦」の共通点
筆者がカウンセリングでご相談を受けていて、気づいたことがあります。セックスレスになってしまった夫婦に共通するのは「座る位置がはなれている」ということ。 人には「パーソナルスペース」というものがあり、これは「他の人が近づくと不快になる空間」を指していて、その空間は自分を中心に同心円状に広がっています。 たとえば、初対面の知らない人が顔を近づけて話してくると「近い」と感じますよね。でも、自分の子どもと話すときなら、同じくらいの距離に顔があっても気にならないはずです。 パーソナルスペースは、関係性によっても大きさが変化します。関係が近くなればなるほど、「不快になる空間」が少なくなると考えてください。 セックスレスに悩むご夫婦はよく「なにからはじめていいのか、わからない」とおっしゃいますが、もはやパーソナルスペースが「他人の距離」になってしまっていることも。まずは〝あなたと夫との距離〟が、どの程度なのかを意識してみる必要があります。