さんざんの悪口を言った後で…(真由さん/32歳/事務員)

 

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ママ友数人で集まっていたとき、朝のワイドショーで特集していた「結婚相談所」の話になりました。「結婚相談所ってのも、ねぇ」「何十万も払わないと結婚できないなら、一生独身でいいや~」などと、笑い話にしていたんです。 その話の流れで、話題はお互いの「夫婦のなれそめ」へ。そのママたちのなかでは恋愛結婚した人が多く「よかった」と思っている人もいれば、「後悔している」という人も。そして順番はリーダー的存在のママ友へ。 すると彼女は、真っ赤な顔で「私は結婚相談所よ。悪い?」と答えたんです。それを聞いて周りのママたちは凍りきました。なかでも結婚相談所を最もバカにしていたママ友は、顔面蒼白で手は小さく震えていました。 いつも堂々と強気なリーダーママも気まずそう。もう誰も会話する人がいません。(この空気、どうしたらいいの!?)心のなかでSOSを出しますが、どうすることもできません。 なんとか、「まあ、いろんな出会い方があるから面白いよね!」と強引にまとめ、その日はお開きに。「口は禍のもと」っていいますが、どこに転がっているかわからないものですね…。

 

 

人には「触れられたくない」「言いたくない」と思っていることのひとつやふたつ、必ずあるものです。相手になにかを尋ねるときは、表情や機嫌をよく観察して〝パンドラの箱〟をこじ開けないようにしたいものです。

 

文:葛西 明