「家を買う」のは、人生の大きな決断です。結婚して「いつかはここで子育ても」なんて夢見ながら、決めるご夫婦も多いのではないでしょうか。しかし、いざ子どもが生まれて実際に子育てしてみたら…保育園は遠いし育児には場違いだし。夢のマイホームがめっぽう〝子育てに不向き〟だと気づいた、ママたちのお話です。

 

 

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■生活感なさすぎる立地がツラい(若菜さん/34/地方公務員)

結婚直後に、3LDKのいまのマンションを買いました。日本有数の金融街で、まさに大人の街といった場所。通勤にも便利だし、立ち並ぶ高層ビルの間に歴史あるレンガ造りの建造物、お洒落なカフェ、隠れ家フレンチなど、歩くだけでワクワクします。 もちろん将来、子どもができることも考えて、子育て環境もチェックしましたよ。不動産業者の話では、少し足を伸ばすと観光ガイドに載るような大きな公園もあり、遊び場には困らないとのこと。「近頃では分譲マンションも多く建って、子育て世代も多い」とか。 それなら安心かなと購入を決めました。それなりにお値段は張りましたが幸い共働きですし、私の仕事も安定しているので返済に困ることはないでしょう。休日には家族で公園に行って、おしゃれなカフェでランチを食べる…そんな妄想を抱いていたのです。 しかし実際に子どもが生まれて痛感したのは「子育てとお洒落は両立しにくい」ということです。近いと言われた公園は、子どもを連れて歩くと30分もかかりますし、おしゃれカフェでは周りに気を遣ってまったく楽しめそうもありません。 またスーツ姿のいかにもできそうなサラリーマンが歩く中を、生活感あふれる普段着で歩くのは、予想以上に気が引けます。最近ではもうちょっとユルめなところに引っ越したくてしょうがありません。 家選びのときは、まだ妊娠する前だったので「子育て」の具体的なイメージができていませんでした。キラキラな理想だけではなく、実際に子育てしている先輩ママに聞いたりして、リサーチするべきでした。