いくつもの想定外が「はやぶさ2」を襲う!


今年3月に放送された『スペース・スペクタクル』(NHK)では、「はやぶさ2の挑戦」と題した企画を特集。「はやぶさ2」のリュウグウ初着陸について、番組は「1本の糸を『日本』から操って、地球の反対側『ブラジル』にある針の穴に通すほどの難しさ」と紹介していました。見事着陸成功を決めた「はやぶさ2」ですが、その裏では一体どんな苦労があったのでしょうか。

 

着陸を阻んだのは、いくつもの想定外。もともと科学者たちは、リュウグウを月や地球と同じ球体だと予測していました。ところが実物は、まるでそろばんの玉のような形。おまけにリュウグウは岩だらけで、「はやぶさ2」の着陸できる場所がなかったそうです。

 

さらにリュウグウは真っ黒な惑星。距離を測るために必要な反射光が戻らず、「はやぶさ2」はリュウグウの高度を読み取れませんでした。高度が測れない「はやぶさ2」は、危険回避のために自動で上昇。リュウグウに降下することができなかったため、当初予定していた着陸日を延期する事態になったといいます。

 

そんな紆余曲折を経た「はやぶさ2」は、今年2月に1度目の着陸に成功。7月には2度目の快挙を成し遂げました。このままミッションを遂行し、来年無事に帰還してほしいものですね。

 

文/長谷部ひとみ