旅行で遠方へ出かけた際に、コンビニでいつも使っている交通系ICカードの名称を伝えたところ「?」な顔をされたことはありませんか?国内にはいくつもの交通系ICカードが存在します。夏休みシーズンの今回は、この交通系ICカードに注目します。
交通系ICカードの種類はこれだけある!
まず、全国にある交通系ICカードを数えてみましょう。2019年7月現在、全国で使える交通系ICカードは以下のとおりです。
JR北海道:kitaca JR東日本:Suica JR東海:TOICA JR西日本:ICOCA JR九州:SUGOCA パスモ:PASMO 名古屋交通開発機構・エムアイシー:manaca スルット関西:PiTaPa 福岡市交通局:はやかけん ニモカ:Nimoca
上記のカードは2013年3月23日に相互利用が認められました。つまり、JR西日本発行のICOCAカードはSuicaやSUGOCAのエリアでも使えます。
上記以外にも交通系ICカードは存在します。たとえば、香川県にある高松琴平電鉄では独自のカードIruCaを販売していますが、全国で使えるカードではありません。繰り返しになりますが、全国的に使える交通系カードは先ほど紹介した10種類となります。
交通系ICカードのメリットは?
交通系ICカードには普通の切符にはない様々なメリットがあります。
財布ごとカードリーダーにタッチすればOK
従来の切符やカードですと、いちいち改札機に入れないといけません。交通系ICカードだと、改札機にあるカードリーダーにタッチすればいいだけ。最近、都心部では交通系ICカード専用の改札機も普及しています。
鉄道利用の履歴がわかる
切符ですと降車時に改札機に回収されるため、鉄道利用の履歴がわかりませんでした。交通系ICカードですと、自動販売機で鉄道利用の履歴が発行できます。日付、利用区間、金額が明記されているため、家計簿を付けるときに助かりますよ。
運賃がお得になる!
交通系ICカードの最大のメリットは運賃がお得になることでしょう。たとえば、ICOCAでは一定条件を満たした上でJR線の利用やショッピングをすると、ICOCAポイントがもらえます。貯まったICOCAポイントはチャージして列車やショッピングに利用可能。結果的に運賃がお得になるシステムです。サービス内容は各カードによって異なるため、それぞれのカードのホームページでチェックしてください。
交通系ICカードは鉄道利用以外にも使える!
ところで、交通系ICカードを鉄道利用だけで終わらしていませんか。交通系ICカードはショッピングでも利用できます。たとえば、コンビニや駅ホームにある売店では必ずと言っていいほど、交通系ICカードを利用できます。いちいち小銭を出さなくて良いので本当に便利。使用残額もレジやレシートに明記されているため、カードの残高0という事態も起こりにくいと思います。
交通系ICカードで例外なのが関西を本拠地とするPiTaPaです。PiTaPaは電子マネー全国相互利用の対象外です。つまり、PiTaPaは「PiTaPaが使える店舗」のみで使用可能です。なお、PiTaPaはショッピングで利用するとポイントが付き、運賃の割引率が高いことでも知られています。
PitaPaだけ注意が必要
今まで全国で使える交通系ICカードを利用しましたが、他カードと少し違うのがPiTaPaです。違いを整理したので、以下の表を確認してください。
一般的な交通系ICカード | PiTaPa | |
支払い | 前払い(事前にチャージ)
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後払い(金融機関口座から一括引き落とし)
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発行 | 当日 | 数週間後(クレジットカード扱いのため)
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利用店舗 | 交通系ICカード利用可能店 | PiTaPa専用の店舗のみ |
これだけ書くとPiTaPaが恐ろしく不便なカードに見えるかもしれません。しかし、後払い方式のため、残高を気にせずに列車に乗車できるのが最大のメリット。また、関西民鉄を中心に各交通機関で割引サービスが利用できます。ちなみに、先ほど紹介したJR西日本のICOCAポイントはJR西日本線内に限られます。
一歩先を行く交通系ICカード Suica
Suicaは交通系ICカードの中でも一歩先を行くカードです。それはモバイル対応していること。つまり、スマートフォンがそのままSuicaになるシステムです。列車に乗る際は駅改札機のカードリーダーにスマホをかざすだけでOK。さらに、自動販売機でチャージしなくでも、クレジットカードと連携させることでその場でチャージ可能。しかも、特急列車や新幹線に乗車することもできます。Suicaを持っている方はよりスマートなモバイルSuicaを使ってみましょう。
文・撮影/新田浩之