■アメリカ経済もだんだん悪化している?

関税の強化は一時的には国内経済の保護に貢献すると考えられますが、それが長期間に及ぶと国民の生活に大きなダメージを与えます。 アメリカにとっては中国製品が、中国にとってもアメリカ製品がコスト高になることで、商品価格に転嫁せざるを得なくなり、それが物価の上昇を招くというものです。 例えば携帯電話。これまで中国製の部品を輸入して製品を製造・販売していた、アップルをはじめとする携帯電話会社は大幅に業績が悪化していると噂されています。 食料品だともっとわかりやすいかもしれません。中国から輸入していた農水産物が関税の強化で割高になり、市民の生活に支障が徐々に出始めているともいわれています。 ある種のインフレーションとも言えますが、国民の生活が困窮するということは国力が下がるということでもあり、到底看過できることではありません。

■ダウ平均にも陰りが見えてきた?

アメリカの株価の動向を示すダウ平均株価もジリ貧ではないか、といわれるのもうなずけます。 さまざまなエコノミストの見解はあることでしょうが、このまま深刻化するとアメリカ経済に大打撃となることだけは一致しているようですね。 中でも中国に拠点を置いたり、中国向け輸出の依存度が高かったりする会社は、この高い関税がダメージとなっているようです。 もし米国株や米国株で運用している投資信託があれば、今後下落していくであろう恐れも出てくることでしょう。 ただし、長期で保有するのが目的であれば、今のところは静観するのがいいかもしれません。無理にろうばい売りをして損を出してしまうよりも、まだ保有していた方が利益確定ができると思われるからです。 まだそこまで考える場面でもなく、政治的な打開により急転直下で改善する余地があることも考慮しなければなりません。