高齢ドライバーによる痛ましい事故のニュースを多く聞くこのごろ、「事故を起こす前に免許証を返納する」という人も増えているようです。とはいえ、車が〝生活の足〟となってる人にとっては返納するのはなかなか難しいもの。「まだ大丈夫」だと言い張る高齢の親と、「とはいえ返納してほしい」と心配する子どもたち…上手な話し合いをしたママたちに、お話を聞きました。
■「漠然とした不安」を整理した(美香さん/36歳/美容師)
今年70歳になる私の父は、このところ毎年、車をぶつけたりこすったりということが続いています。高齢ドライバーによる事故の報道もよく目にしますし「そろそろ車の運転を控えたら?」と提案していたんです。 でもそのたびに「まだそんな大ごとにはなってないから、大丈夫」と言い張って。でも「大ごと」になってからでは取り返しがつかないので、なんとか免許返納を考えてもらおうと母とも話していたんです。 返納しない理由として「車がなくなったら生活に困る」と漏らしていたようなので、普段父がどこに行って、どんな生活を送っているのかを、具体的に紙に書いてまとめてみることにしました。 そのうえで「ここにいくにはバスで」「たまにいくココならタクシーでも」といった具合に、代替の移動手段を提示したんです。それにかかる交通費も、自動車の維持費と比べたら負担になるわけではないことも話しました。 具体案と数字で示したこともあり、結果しぶしぶですが免許証返納を納得してもらえました。返納した後の生活への「漠然とした不安」が消えたことが、父の気持ちを動かす要因になったと思います。