137-1

老後はゆっくりと田舎で暮らしてみたいと思う人は多いかもしれませんね。都会の騒がしさから離れ、静かな環境で自給自足をしながらのんびり暮らしている人を見ると、とても憧れます。


しかし、実際に田舎暮らしを始めると、こんなはずじゃなかったと感じるようです。中には、田舎暮らしをあきらめて、都会に戻ってしまう人もいるようです。


そこで、田舎暮らしをする前に、どれほどの資金が必要なのか、また、どのようなことに気を付ければ良いのか確認してみましょう。

■田舎暮らしで必要になる資金

田舎は何よりも地価が安いため、購入するにせよ、賃貸するにせよ、住居費が安く済むのが魅力の一つです。


地域によっては数百万円単位で建物付きの山を購入することができることも。移住者を求めている地域だと数千円から1万円単位で庭付きの大きな古民家などを借りることも可能です。


家を購入した場合、他にかかる費用は生活費だけですが、自分で農業をする場合は自給自足で賄えますので、それほど生活費がかからないこともあります。 光熱費については、豪雪地帯ならば冬場はかなりの費用がかかります。


いろりや暖炉などがある家なら、まきを用意すればそれほど光熱費はかかりませんが、自分の所有している土地内で木材を入手できない場合は、購入しなくてはなりませんので、それなりに費用がかかります。


冬場は暖房器具をフル稼働させるため、夫婦二人で生活した場合でも、光熱費が2万円から3万円前後かかることもあります。地域によってガス料金や電気料金は異なりますが、冬場は光熱費が高くなることは頭に入れておいたほうが良いでしょう。


また、田舎は近くに娯楽施設も少ないため、遊興費を使うことがほとんどありません。毎月確実に費用がかかるのはガソリン代や保険代程度なので、年間の支出を考えると、180万円から250万円もあれば、夫婦二人で十分に暮らしていけることになります。

■田舎暮らしで自給自足は可能?

田舎暮らしの最大のメリットとなる自給自足ですが、それまで畑作業をしたことがない人が一から農業を始めるとなると、実際に自給自足できるまで数年かかります。


購入した家に農地がついており、これまでずっと耕していた土地でなら、すぐに種を植え、収穫することも可能でしょう。しかし、庭などの空いている土地を利用して、自給自足を考えているようなら、なかなか難しいといえるでしょう。


作物の管理はとても難しく、上手に育たなかったり、雑草との戦いで疲れ切ってしまうこともあります。


自給自足に憧れる人は多いですが、実際にはそれほど甘くないということと、一年をとおして作物を収穫できない点を理解しておいたほうが良いでしょう。