「救えるとしたら、私しかいない」
キャチコピー通り、ジュリア・ロバーツ演じるホリーは決して諦めない、強く熱い母親です。自分一人ではどうにもならないという状況に不安を感じながらも、ひたすら「息子を救う」を貫きます。文字通りの体当たりの熱演。中でも、表情がとても印象的です。優しさ、愛おしさ、強い決意、不安、さまざまな母の顔を見せてくれます。
息子を探して欲しいと警察で泣き叫んだり、ベンを墓地に連れて行き「どのお墓に入りたい?」と詰め寄ったり、感情を爆発させるシーンに圧倒されるのですが、中でも凄みを感じるのは、静かな怒りです。ベンが薬物依存症になった原因を作った主治医クレインと出くわし、記憶が曖昧なことが明かされると「あなたが忘れたフリを私は覚えている」と語りかけます。続けて放った言葉はとても衝撃的です。しかし、自分の息子を守りたい、愛する息子を救いたいと思ったら、自分も同じことを言ってしまうかも……、とハッとさせられます。