好みのタイプだった男性との間で再婚相手に迷っていた、元江東区議の三次由梨香さん。そんな彼女の迷いを断ち切るように「絶対にオト」と背中を押したのは、当時7歳の長女でした。音喜多駿さんと築いたステップファミリーの舞台裏から、母親があえて出しゃばらず夫に役割を委ねる「チーム家族」の知恵を伺いました。

娘のひと言で再婚相手は音喜多駿に決めた

音喜多駿と三次由梨香
元参議院議員の音喜多駿さんと再婚した、元江東区議会議員の三次由梨香さん

── 江東区議会議員を務めていた三次さんは2015年、長女が7歳のときに現在の夫である音喜多駿さんと再婚されました。子連れの再婚では子どもとパートナーの相性も大切だと思いますが、娘さんから反対はありませんでしたか?

 

三次さん:反対はありませんでした。むしろ、あと押ししてくれたのは娘のほうだったんです。実は当時、再婚に向けていくつかの結婚相談所に登録していました。何人かの方とお見合いをし、娘を交えてお会いしたこともありましたが、最終的に夫を選んでくれたのは娘でした。

 

── 最初から再婚を前提に活動をされていたんですね。

 

三次さん:前の夫とは長女出産後の2008年に離婚したのですが、その頃から再婚への想いはずっとありました。ただ、それは「パートナーが欲しい」というより「子どもをたくさん産み育てたい」という気持ちからでした。私は子どもの頃から勉強も運動も得意なほうで、少し変わっているかもしれませんが、自分の遺伝子をできるだけ多く残したいと考えていたんです。

 

離婚直後こそ貯金が底をついたこともありましたが、その後は仕事も安定して経済的に自立できたので、誰かに養ってほしいというわけではなく、純粋に家族を増やしたくて再婚を望んでいました。

 

── そんなときに音喜多さんに出会った?

 

三次さん:夫とは仕事を通じて知り合いました。ただ、当時は別の方ともやり取りをしていて、正直そのふたりで迷っていたんです。もうひとりの方はとにかく私好みの顔立ちで(笑)。昔から好みのタイプだと、最低限の優しささえあれば大抵のことは許せてしまうところがあり、そのせいで過去に苦労した経験もありました。

 

そこで娘に「どっちの人がいいかな?」と相談したところ、「絶対に今の夫(音喜多)がいい」と即答されたんです。夫が娘を本当にかわいがってくれていたのもありますが、私のこれまでの恋愛を間近で見てきた娘がそう言うなら、それが正解なんだろうなと。娘自身も夫にすごく懐いていて、「音喜多」という漢字をノートに練習していたほどでした。

 

夫も「娘を最優先にする」という私の考えを深く理解してくれましたし、一生懸命に自分の名字を練習する娘の姿を見て、父親になる覚悟を固めてくれたようです。そうして交際から半年で再婚に至りました。

次女と長男は「長女と父親が違う」とまだ知らない

── 再婚後、音喜多さんと娘さんは養子縁組をされたそうですね。

 

三次さん:そうですね。娘は最初、夫のことを音喜多からとって「オト」と呼んでいました。実は私の前では「パパ」と言っていたのですが、本人の前では照れもあったようで。再婚からしばらく経ったある日、初めて直接「パパ」と呼んだんです。それを聞いた夫は、父親として認められた気がしたと本当に喜んでいました。

 

── 現在は長女が18歳、再婚後に生まれた次女が10歳、長男が5歳ですね。ステップファミリーとして、難しさを感じる場面はありましたか?

 

三次さん:大きな衝突もなく、きょうだい仲も良好です。夫は次女が生まれてからも変わらず長女を大切にして、愛情をしっかり伝えてくれています。ただ、ひとつ気がかりなのは、次女と長男が「長女と父親が違う」という事実をまだ知らない点ですね。

 

── いつ伝えるかは決めているのでしょうか?

 

三次さん:調べればオープンになっている情報ですし、周囲の保護者のなかにはご存知の方もいるので、もしかしたら次女は薄々気づいているかもしれません。ただ、今のところはまだ知らない前提でいて、具体的にいつ切り出すかは決めていません。きょうだい仲がとてもいいからこそ、夫のほうが伝えるタイミングについて慎重になっている印象です。

出しゃばりすぎず、父と娘の仲を見守ってきた

音喜多駿と三次由梨香
長女と一緒に婚姻届を提出

── 長女と音喜多さんがいい関係を築くために、三次さんが意識されたことはありますか?

 

三次さん:私が出しゃばりすぎず、ある程度は夫に任せることでしょうか。たとえば長女の中学受験のときは、受験事情に詳しい夫に舵取りを任せ、私はよけいな口を出さずに見守る役に徹しました。現在も大学受験に向けて長女は夫に相談していて、ふたりでオープンキャンパスに出かけたりしています。

 

── 娘さんにとっても、頼もしい存在ですね。

 

三次さん:夫に「父親としての活躍の場」をつくることで、子どもたちにも「パパは頼りになるんだ」という実感が自然と根づいたのだと思います。家族でよく行くスキー旅行でも、長女が好きなスノーボードを教えるのは夫の大切な役割ですね。

 

── とても素敵な関係性ですね。

 

三次さん:まあ、それを差し引いても夫は基本的に娘たちに甘いので、それも大きいと思います(笑)。私と長女は長男を溺愛して甘やかしているので、お互い様かもしれません。

 

取材・文:酒井明子 写真:三次由梨香