代理母の夫から「緊急破水した」と連絡が

いとうゆき
52歳で出産したとき、笑いが止まらなかったという

── 1月に長女を出産し、次は代理母の出産ですよね。

 

いとうさん:はい。私が1月に出産して、代理母が3月に出産予定でした。2月に入って代理母の出産まで少し時間があったので、2月は私の誕生日ということもあり、長女の出産のお祝いも兼ねてお寿司を食べに行くことになったんです。初めてベビーシッターさんに子どもを預けて、夫婦で過ごそうと。

 

でも、前日に代理母の旦那さんから連絡がきて「緊急破水した」と言われて。もともと3月の出産予定日の数日前に代理母がいるオハイオに行く予定でしたが、急遽、現地に向かうことになりました。代理母はすでに産院に緊急搬送されていたので、ニューヨークからオハイオまで飛行機で2時間くらいの道のりを、生後わずか1か月の長女も連れて、急いで車で向かいました。

 

── 大急ぎですね。

 

いとうさん:でも病院に着く前に生まれたんです。病院から写真を送ってもらって、すごくクシャッとした表情でしたが、なんだか癒されました。安堵したこともあり、途中で1泊して病院に着きました。女の子でした。

 

── いざ、次女と初対面していかがでしたか?

 

いとうさん:1800グラムと低体重だったので集中治療室の保育器に入っていましたが、写真よりもとても目がパッチリしていてかわいいし、やっと次女と対面できてすごく嬉しかったです。次女の容態が安定するまで3週間ほど入院して、その後、次女も連れて家族でニューヨークに戻ってきました。

出産後の代理母との関係は

── 代理母とは直接顔を合わせたり、話をすることはあるのでしょうか?

 

いとうさん:エージェントによってさまざまなようです。卵子提供や精子提供は連絡を取らない人がほとんどと聞きますが、代理母に関しては、出産後はいっさい関係を断ちたい人もいれば、お誕生日会に呼ばれるなど、定期的に会っている人もいると聞きます。私が依頼したエージェントでは、代理母が妊娠中の定期検診や何か進捗があったときに医師や看護師、代理母、私夫婦でオンラインミーティングを開き、医師からお腹の子の状態の説明を聞いていました。

 

代理母が出産すると、代理母が子どもに愛着が湧いて離れたくないとならないように、すぐに別室に離されます。私は生後1か月の長女と集中治療室に入っていた次女のお世話で手一杯だったので行けませんでしたが、代理母が入院中に夫が1度会いに行きました。代理母側が産後は連絡を取ることを望んでいなかったので、今はいっさい会っていません。

 

── 長女が1月、次女が2月に生まれ、同じ母親から1年に2人の子どもを持つことになりました。お子さんたちには出生について、どのタイミングでお話ししようと思っていますか?

 

いとうさん:まだ娘たちが3歳なので説明しても理解が難しいと思いますが、隠すつもりはないです。周りからも耳にするかもしれません。でもアメリカにいるとそこまで重要視していないというか…。アメリカでは代理母や養子縁組、LGBTQの方が子どもを育てている家庭はありますし、とくに周りも気にしていないような気もします。

 

日本では血のつながりを大事にする風潮がありますが、私個人としては、今となってはどこから生まれ、DNAがどうであれ、果たしてそんなに重要なことなのかな、と思うようになりました。それよりも今、誰と一緒にいて、どんな環境で育っているかというほうが大事なんじゃないか。でも、そこは娘たちが成長してきたら聞いてみないとわからないですよね。一緒に乗り越えていけたらいいなと思います。