10年に及ぶ不妊治療を経て52歳で第1子を出産したニューヨーク在住のいとうゆきさん。しかしわずか1か月後に依頼していた代理母も出産し、1か月差の姉妹の母になります。しかし、日米の法制度の違いから国籍や戸籍の問題に直面。長女は実子、次女は特別養子縁組という扱いになる現実と向き合っています。
10年に及ぶ不妊治療の末、本人と代理母がほぼ同時期に妊娠

── 40歳から10年以上に及ぶ不妊治療を経て52歳で第1子を出産したいとうさん。3度にわたる流産、卵子提供や精子提供、夫の精管手術などさまざまな出来事を乗り越え、50歳を過ぎて養子縁組を検討したのち、代理母での出産を決めました。
また同時期に、保存してあった受精卵をお腹に戻したところ、代理母とご自身の双方で妊娠が確認できました。当時52歳。自身の妊娠と代理母の妊娠について、どんなことを思いましたか?
いとうさん:もちろんとても嬉しかったのですが、私の妊娠に関しては今まで3回流れてしまったこともあり、あまり期待し過ぎないようにしました。それでも、もし自分がダメだったとしても、今度は代理母が産んでくれるだろうという安心感が大きかったですね。精神的な余裕ができたと思います。
私の仕事は栄養指導がメインですが、ほかにもジャイロトニックというエクササイズを教えています。妊娠がわかった後も、医師に確認したうえですが、地元ニューヨークから飛行機に乗ってサンフランシスコやハワイまで行って先生用のトレーニングに参加したり、かなりアクティブに過ごしていました。
── 旦那さんはいかがでしたか?
いとうさん:夫はずっとヒヤヒヤしていたと思います。今まで私が散々つらい思いをしてきたのも見ているし、遠方にトレーニングに行くときもずっとついてきてくれました。サポートも手厚かったですね。産婦人科の検診には欠かすことなく必ず付き添い、片道1.5時間ほどかかる鍼灸治療クリニックには週に1〜2回いつも送迎してくれました。
家事も積極的にやってくれるようになりました。以前は私がメインで家事をしていましたが、夫が掃除から洗濯、料理までなんでもやってくれるようになったんです。夫は料理がすごく上手だったし、彼の新たな才能を見つけることができました。
また、私の実家の家族や友達には出産が近くなってから伝えましたが、みんなかなり驚いていましたが、すごく喜んでくれました。
── 2023年1月、第1子の長女を出産されました。
いとうさん:前置胎盤(胎盤が通常より低い位置に付着し子宮口を覆ってしまう)だったので帝王切開で出産しましたが、無事に出産できました。子どもが産まれて嬉しいというよりも「成し遂げた。あぁ、よかった」という、達成感や安堵の気持ちが大きかったですね。涙も出なくてずっと笑顔。夫もこれで肩の荷が降りたような感じだったんじゃないかなと思います。