高齢の母の介護のため、東京と茨城の二拠点生活を送る羽田美智子さん。数年前には実家を建て替えるために、50年分にも及ぶ家財整理をひとりで行ったそう。「おばあちゃんの形見だから」という母をなだめながら、モノと向き合ったことで、気持ちに変化が生まれたと言います。

実家の建て替えで、50年分の家財を片づけることに

羽田美智子
ドラマ『特捜9』の撮影の合間にて

── 現在、高齢のお母さんの介護のため、東京と茨城県のご実家との二拠点生活を送っている羽田さん。実家の建て替えをした際、50年分の家財をおひとりで片づけたそうですね。

 

羽田さん:始まりは数年前、父が入院したときのことでした。退院後に家で過ごせるように父の部屋に介護ベッドを置くことになったんです。ただ、ベッドを入れると押し入れの戸が開かなくなってしまうので、今のうちに中のものを出しておこうと開けたら、「何十組あるの?」というくらいの布団が出てきて。いつか誰かが泊まりに来たときのために、ずっと残してあったんですよね。まずはその処分から始めました。その後、築50年ほどの実家を壊して建て替えることになり、残っていた家財もすべて整理することになりました。

 

── 50年分の家財を一つひとつ片づけていくのは、気の遠くなるような作業だったのでは…。

 

羽田さん:実家は商売をしていたので、とにかくモノが多かったんです。仕事から帰ってきては片づける毎日で、トータルで半年ほどかかりました。しかも全部ひとりでやったので、本当に発狂しそうでした(笑)。でも、誰かがやらなければ終わらないので、もうやるしかなかったんです。片づけながら「後に残された人はこんなに大変なのに、どうしてそれぞれの代で処分してくれなかったんだろう」と、上の世代をちょっと恨みましたね(笑)。

 

── 何を捨てて何を残すか、迷いますよね。判断の基準は何だったのでしょう。

 

羽田さん:今の暮らしで本当に使うかどうかでした。布団や座布団も「いつか誰かが泊まりに来るかもしれない」と残してありましたけど、そんなに大勢が泊まりに来ることはもうありません。来客用の布団も2組あれば十分です。迷ったときに背中を押したのは、どのモノにも染みついていた「古い匂い」でした。そこは心を鬼にして処分しましたね。