「トラブルは歓迎」自分が成長する第一歩だから

── まわりの人を味方につけて突き進んでいく…。そのコミュニケーション力がうらやましいです。

 

立川さん:芸人をやっていたから話すこと自体は苦ではなく、「明るいね」「強いね」とよく言われます。でも実は、人との共同作業はさほど得意ではありません。人に何かを頼んだりするのって面倒だし大変じゃないですか。

 

ただ、現実はそうも言っていられません。次から次へと難題が降ってくるなか、ひとりでできることには限界があります。だから私自身が自分を変え、次のステップに進もうと思い、人にも頼るようになりました。

 

立川あゆみ
地元でカフェ「87wa(はなわ)」をオープンさせた

── 人に頼ってうまくいった例を教えてください。

 

立川さん:パクチー加工商品のパッケージやチラシ、会社の名刺などは、プロのデザイナーに適材適所に向いている方にお願いしています。私もアパレルデザイナーの経験があるのでデザインの知識や技術はありますが、自分はあくまでも全体の方向性をまとめ、指示を出す役割に徹しています。

 

依頼するデザイナーも、ひとりだけに頼らないように。ひとりのデザイナーに絞って依頼すれば、打ち合わせや情報共有は楽だし、世界観も統一されます。けれども、デザイナーにもそれぞれ得意分野がありますし、出せるアイデアも違います。「レトルトカレーのエキゾチック感を出すならこの人」「チラシで情報をわかりやすく伝えるならこの人」「すっきり洗練された印象にするならこの人」と、目的に応じて別々のデザイナーさんにお願いして、それぞれの得意分野や感性を生かしてもらっています。その結果、各商品やロゴを、自分でも納得できる形に仕上げることができました。

 

── たくさんの人と関わりながら仕事をしていると、トラブルが起きることもあるかと思います。そういう事態をどう防いでいますか。

 

立川さん:これは亡くなった夫からのアドバイスなんですが、何か新しいことを始めるときは、いちばん反対しそうな人のところへ最初に相談に行くようにしています。「こんなことを考えていて、まずあなたにいちばんにお話ししたかった」と、打ち明けるんです。すると、その人は「自分が最初に相談された」と、悪い気がしないのでしょうね。いざ物事をスタートさせてみると、応援者となってくれる可能性が高いです。

 

── 対策むなしく、クレームや反対意見が来たときは?

 

立川さん:へこまないわけじゃありませんが、クレームやトラブルを「今の私に何が足りなかったか」という問いに変えてしまいます。そうやって、否定的な意見を自分の仕事の改善の材料にしています。

 

── これから仕事に挑戦しようとしている人に伝えたいことはありますか。

 

立川さん:主婦としてこれから何か始めたい、副業で何かをしたい、独立起業したい…。いろんな人がいると思います。そんなとき、自分から「やります」と手をあげるのって、責任を負うことを意味しますから、ためらってしまいますよね。でも、その責任を取る覚悟さえあれば、自分の思い通りに自由に動けるようになります。

 

ピンチも多々あるでしょうが、大切なのは、「今、私は何に向かっているのか、何をしたいのか」「どんな人に何を届けたいか」をしっかりイメージすること。失敗しても、「これはいつかたどりつく成功への1ステップ」として捉える。そうすれば、失敗も怖いものではなくなると思いますよ。

 

取材・文:鷺島鈴香 写真:立川あゆみ