「理解してくれる人がひとりいるだけで救われる」

愛迷みんみん
臨床検査技師として働く愛迷さん

── 仕事をしながら、SNSでの発信活動も始めていましたね。

 

愛迷さん:はい。最初は、自分の経験を発信することに抵抗がありました。でも、「見えない障害」に悩んでいる人もいるということを、たくさんの人に知ってもらいたいと感じ、これまでの病気のことや、今感じている困難について公表することにしたんです。

 

それからは「どんな配慮が必要なのか」についても積極的に発信するようになりました。たとえば、外見からはわからなくても、助けや配慮を必要とする人がつける「ヘルプマーク」。私は、ヘルプマークをつけて電車に乗って通勤していましたが、席を譲ってもらったり、声をかけてもらったことはほとんどありませんでした。私自身、ヘルプマークの存在を知ったのは社会人になってからだったので、まだ認知度が低いと感じ、SNSを通してヘルプマークの意味を発信したりもしました。

 

── どのような反応をもらいましたか?

 

愛迷さん:「障害者は電車に乗るな」など、心ないコメントを投げられ、心を砕かれそうになったこともありました。いっぽうで「自分も同じ経験で苦しんでいる」「勇気をもらった」という共感の声もたくさんいただいて。それらの言葉に私自身が支えられましたし、「理解してくれる人がひとりでもいれば、心は救われるんだな」と実感することができました。

 

── 直接対面していなくても、「理解してくれている存在」がいることを知ったことで、心が楽になったのですね。

 

愛迷さん:そうですね。「見えない困難について知ってほしい」という気持ちで始めた発信活動でしたが、たくさんの方に励まされるうちに、「当事者だからこそ、伝えられるメッセージがあるのでは」という気づきにつながりました。今は、「自分の言葉で誰かを支えたい」という思いを胸に、投稿を続けています。

 

病気を経験したことも後遺症があることも、全部含めて私自身。SNSでの発信活動を通して、こんなふうに考えられるようになり、ようやく自分自身と向き合えるようになったと感じています。傷ついたり葛藤しながら、それでも自分を認めてあげることができるようになった。このことが、わずかながらでも「前進していること」を私に感じさせてくれています。

 

取材・文:佐藤有香 写真:愛迷みんみん