障がいの当事者「大丈夫?」よりかけてほしい言葉は

── 障がい者として、社会にどう働きかけていきたいですか。

 

滝川さん:じつは日本って、設備や制度面のバリアフリーは世界的にみてもかなり整ってきているんです。ただ、「心のバリアフリー」がなかなか追いついていないみたいで。たとえば、街中で障がい者を見かけたとき、皆さん、どうしていいのかわからなくて、とまどわれるんじゃないでしょうか。

 

── たしかに、「困っているのかな」と思いつつ、どう声をかけていいのか、それさえわかりません。

 

滝川さん:勇気をふりしぼって声をかけるときに、「大丈夫ですか?」という言葉を選びがちじゃないですか?これって意外とあいまいな言葉で、当事者はつい「いえ、大丈夫です」なんて、サポートを遠慮してしまったりするんです。

 

それよりも「何かお手伝いしましょうか?」「私にできることはありますか?」と聞いてもらえると、僕たちとしても具体的な要望を伝えやすくなります。ただ、障がいの内容や性格も十人十色ですから、声かけに対するリアクションはさまざまだと思います。

 

── 声をかけた方もやりとりがうまくいかないことがあっても落ち込まず、小さなやりとりを重ねることで、障がいのある方々が街に出やすくなるといいですね。滝川さんのこれからの夢を教えてください。

 

滝川さん:介護や社会福祉に興味があります。介護職は「大変な仕事」というネガティブなイメージを持たれがちで、人手不足が進んでいます。そうしたなか、介護にテクノロジーやアートを取り入れ、融合させることで、みんなから憧れられるようなクリエイティブな仕事に変えていけたらと思っています。

 

── どうやって実現していこうと考えていますか。

 

滝川さん:事故前から思っていることですが、人を動かすには自分から動くことが必要です。まずは、僕自身が車いすでどんどん外に出ていくこと。街に車いすの人がいるのが当たり前になれば、自然と皆さんの価値観も変わっていくはずです。

 

そして最新のリハビリ装置を使いこなしたり、僕が興味のあるデザインやアートの力で装置やユニフォームをカッコいいものにしていったりすることで、新しい介護の未来を皆さんに見せることができたら嬉しいですね。

 

取材・文:鷺島鈴香 写真:滝川英治、えりオフィス