今の子どもたちの無気力さが心配で
──「学び直し」が注目を集めている昨今ですが、大原さんのレベルで実践している人はなかなかいないと思います。
大原さん:学びを諦めた後悔があるから、できるときにやらないと、という気持ちがあるんです。子どもたちには、特別授業を通して、自分の経験や気持ちを正直に伝えたい。自分はプロレス一筋の人生を歩んできたけれど、中学のときに授業を受けなかったことで後悔したこともあるから、って。

でも、今の子どもたちを見ていると、無気力さを感じることがよくあります。関心をもてるものが見つけられないというのか。僕なんか、10代後半の頃はケンカしたり血気盛んだったけど、そんな子はほとんどいない。なんだか覇気のない今の子どもたちに自分の言葉を届けるためにも、過去に前例がないプロレスラーになりたいと思うんです。
教員免許を持っているレスラー自体は多いし、教員を経てプロレスラーになった人もいます。でも、中卒のプロレスラーから教員になった例って多分ない。だから自分が40代前半の今のうちに、成し遂げなければと(笑)。
プロレスラーが定時制高校に通って、大学、大学院に通って、先生もやる。そんな今までにないキャリアを自分が歩むことで、子どもたちの新しい道を示せるんじゃないかなと思うんです。意外と無謀じゃないよって伝えられるのかなと。プロレスってリングで頑張ってる姿がわかりやすいけど、僕はリングの外でも挑戦する姿を、子どもたちやファンの人たちに見せたい。そのために、これからも学び続けるつもりです。
取材・文:たかなしまき 写真:大原はじめ、プロレスリング・ノア