地方から逃げ出したい自分もいたけれど
── 相手も悪気があっての発言ではないにしても、固定観念はまだ根強いんですね。
山本さん:日本では約8割の地方で、若年女性が都市部に流出し、人口減少や少子化を招いていると言われています。有識者でつくる民間研究機関「人口戦略会議」は全国744の自治体が人口減少に歯止めがかからない恐れのある「消滅可能性自治体」に該当すると公表しました。これは2020年から50年までに、20歳から39歳までの若年女性人口が、半減する自治体を指します。
「地方女子プロジェクト」インタビューで明らかになった「若年女性が地方から出たくなる理由」は、仕事の選択肢の少なさ、保守的な価値観や習慣の両方でした。
活動を続けるなかで気づいたのですが、「今までこうして自分の体験や意見を話せる場所がなかった」と言う人は非常に多いんです。「自分の置かれている状況は当たり前で、意見を言って変えられるなんて考えもしなかった」という意見もあったので、大勢で悩みやおかしいと感じる部分を共有する場が必要だと思いました。そこで、今年から各地で対面式の「本音おしゃべり会」を開始したんです。
── 体験や本音を共有する場は大切です。ひるがえって山本さんは、ずっと山梨に留まっていますが、都市部に出ようと思わなかったのですか?
山本さん:幼い頃から地方は閉鎖的だと気づいており、もちろん、ここから逃げたい自分もいました。とくに山梨では周囲にバリバリ働く女性が少なく、女性が第一線で働き続けるロールモデルが見つけられません。だから高校生の頃は、都会に出たい気持ちが湧いた時期もあります。
でも、自分の学びたい大学が県内にあり、自分がやりたいと思った地方創生・地域活性化に関わる就職先が見つかったので、結果的に県内に残りました。自分の意志でここに残ったわけで、今は地方から仲間とともに現状を変えようと思っています。
取材・文:岡本聡子 写真:山本蓮、地方女子プロジェクト、ヤマモトクミコ