宿舎で搾乳した母乳を、自宅で夫が解凍して飲ませ

── 結婚後、2人の娘さんを出産されました。
日高さん:もともと女の子が欲しかったこともあって、子どもたちは本当にかわいかった。私たちの元に「天使がきたね」と本気で思いましたから。
いっぽうで、産後は早くレースに復帰したいとも思っていました。レースから離れている時間が長くなるほど下手になりますから、子どもは子ども、レースはレースで別ものです。長女も次女も産後3か月経つ前に復帰し、長女のときは復帰4戦目で優勝できて本当に嬉しかったです。
── 日高さんはレースで家をあけることも多いと思いますが、その間は旦那さんが家事や子育てをされていたのでしょうか?
日高さん:基本的に、夫に任せていました。彼は結婚と同時に当時勤めていた会社が倒産したのですが、その際「私が外で働いてお金を稼ぎ、夫が家事や子育てをおもに担当しよう」となったんです。娘たちが小さい頃は、レースが続いて帰宅できないときは宿舎で搾乳し、冷凍して、1週間分を自宅に宅急便で送り、受け取った夫が解凍して飲ませてくれました。
夫が娘たちを連れて公園デビューもしてくれましたし、娘たちが小学生になると持ち物もしっかりチェックしていました。ハンカチ、ティッシュから鉛筆は全部削ってあげて、忘れ物があれば学校にすぐに届けに行く。「そんなに手伝ったら自分で何もできない子になっちゃうよ」と私が注意するほど、子どもたちに目をかけてくれました。
── 旦那さんがそこまで尽くしてくれたからこそ、日高さんもレースに集中できたのですね。
日高さん:そうです。家庭では妻と母、レースが始まったら勝負師と、オンとオフがはっきりつけられたのは彼のおかげです。
もちろん、全部を夫に任せきりというわけではなくて。1か月のうち約25日は遠征していましたが、そのぶん、家にいるときはちゃんと家事をしようと決めていました。朝は4時半から5時には起きて、ファンの方からいただいたお手紙に返事を書き、朝食の準備をして、娘たちのお弁当を作って…というのが、私が家にいるときのルーティンでした。