「郁美の笑顔を久しぶりに見た」母の言葉
── 木村さんは2014年に現在のご主人と結婚されています。出会いのきっかけを教えてください。
木村さん:離婚が成立してしばらく経った頃、知り合いの食事会で今の夫と出会いました。気さくで食べ物の趣味が合ったので、一緒に食事に行くようになりました。でも早い段階で、「私は付き合うことも結婚することもできない」「お金もない」という話を全部正直にしました。これまであったことも全部です。それまで恥ずかしくて誰にも話せなかった結婚詐欺のことも含めて。彼は「それは大変だったね」と動じることなく、受け入れてくれました。
── 今まで誰にも相談できなかった話も、されたんですね。
木村さん:しばらく人間不信になっていたので、「またこの人に騙されたらどうしよう」という気持ちのほうが強かったんです。でも彼が「友達でいいよ、一緒にご飯を食べに行こう」と言ってくれて。そこから1年以上、ただ一緒に食事をするだけの関係が続きました。急に距離を縮めようとしなかった彼の姿勢が、すごくありがたかった。焦らず、時間をかけて寄り添ってくれたから、少しずつ心が開いていったんだと思います。
彼と会うようになってしばらくして、母と話していたら「郁美の笑顔を久しぶりに見た」と言われたんです。その言葉が今でも忘れられません。会社でも「最近、明るくなったね」と言われるようになって。「あれ、私変わってきてる」と周りの声で気づいたんです。
── 出会ってからご結婚まで、どのくらいかかったんですか?
木村さん:お付き合いをして、1年9か月後に結婚しました。今年で結婚12年目です。以前の経験があったので、結婚までは同棲を経てから入籍しようと決めていました。一緒に暮らして違うと思ったら同棲をやめようと話し合って。家族や友達にも積極的に何度も会ってもらい、第三者の意見もたくさん聞きました。周りからの評判もとてもよくて。慎重に、慎重に、時間をかけていきました。夫も再婚、私は結婚詐欺のあとでの再婚。お互いいろんなことを経て今があるよね、と今では笑って話せます。