師匠・ビートたけしから学んだたったひとつのこと
── 芸人として、たけしさんからどんなことを教わりましたか。
ラッシャー板前さん:師匠が芸について「こうしたほうがいい」と教えることはほとんどなかったです。師匠は「チャンスは与える。売れるか売れないかはお前の感覚次第。売れなかったからといって、俺を恨むな」と、軍団のみんなにも言ってました。
いっぽうで、師匠から強く言われていたのは、「スタッフを大事にしろ」ということ。若いADさんにもきちんと挨拶する。「ケンカするならプロデューサーとしろ」って言い方もしていましたね。この教えは『旅サラダ』などの現場でも守りました。
── そうした姿勢も『旅サラダ』での中継レポーターとして25年起用され続けた理由のひとつかもしれませんね。大きな自信につながったのでは。
ラッシャー板前さん:ずっと師匠を見ていて感じたのは、「絶対に師匠にはかなわない。俺は師匠と違うところで勝負しよう」ということです。それは何かというと、やっぱりバラエティ番組の中継や食レポで。食レポだけは師匠に勝てる、そこが自信の源になっていました。
うれしいのは、師匠が『旅サラダ』をよく見てくれていたことです。「この野郎、お前はなんでもおいしそうに食うな。本当はまずいんだろ」って、やりとりをしょっちゅうしていました。それがすごく嬉しくて。「じつは俺のファンじゃないですか?」って返したら、「バカ野郎」って(笑)。その瞬間に、認められた!と思いました。