「代打」からつかんだ食レポ中継の仕事

── 25年続いた『旅サラダ』の中継ですが、最初は「代打」としての登場だったそうですね。

 

ラッシャー板前さん:そうなんですよ。もともと中継担当はたけし軍団の松尾伴内がやっていたんです。彼が舞台出演で番組に出られない時期があって、その代役として松尾が俺を推薦してくれたんです。それ以前に別番組で、松尾とふたり旅みたいな企画をやったことがあって。俺は生ものを食べるのが平気だけど、松尾は得意じゃない。いい感じで役割分担できたんです。旅サラダって漁港の中継も多いから、「ラッシャーなら生ものをおいしそうに食べるよ」と、推薦してくれて。

 

── 代打から一転、松尾さんとレギュラーを交代することになって、気まずくありませんでしたか。

 

ラッシャー板前さん:もちろん気まずかったですよ。仕事を奪っちゃったみたいなもんですから。レギュラーへの抜擢を知らされたとき、黙っていてもいずれバレるし、「だったら先に自分から説明しよう」と思って。番組や事務所から伝える前に、「俺から松尾に言わせてくれ」とお願いしました。

 

「4月からは俺が中継をやらせてもらうことになった」と松尾に伝えたら、「いやいや、いいよ。絶対、俺よりラッシャーのほうが向いてるもん。だから俺が行けないときにお願いしたんだよ」って。「4月からがんばりなよ」と励ましてくれました。あれは泣けましたね。

 

ラッシャー板前
板前時代の面影が残るラッシャーさん。たけし軍団では末っ子的存在で、その関係性は今も続いている

── そこから25年。ご本人としては、始めた頃から長く続く予感は?

 

ラッシャー板前さん:全然なかった。数年で終わるものだと思っていました。松尾も「自分は1年だったし、ラッシャーもせいぜい3年ぐらいだろう」と、思っていたみたいです(笑)。でも、気がついたら25年。会うたびに松尾が「見てるよ、いつも」と、言ってくれてました。