「命には替えられない」と子宮全摘を即決
── 30代半ばで死を意識することになるとは…よく耐えましたね。
荒木さん:夫がそばで支えてくれたことは本当にありがたかったです。そんな不安な年末年始を過ごして、年明けすぐに大きな病院で精密検査をしたところ、子宮頸部高度異形成の診断が正式に出ました。医師からは「子宮頸がんになる可能性が高い前がん病変です」と伝えられました。
── 前がん病変だとわかったんですね。
荒木さん:はい。診断結果自体は、前がん病変ではあったけど、なんとかギリギリのところで踏みとどまってくれたと思えて、ホッとしました。あのとき、彼が無理やり人間ドックを予約しなかったら、私はこの先何年も体の健康状態を調べなかったと思います。「彼に命を救われたんだ」ってしみじみ感謝の思いを噛み締めましたね。彼にはもちろんお礼を伝えましたし、このことが彼との結婚を決めた大きな理由のひとつになりました。
── 旦那さんをはじめご家族の勧めもあり、前がん病変の発見後、子宮を摘出する手術を受けたそうですね。
荒木さん:はい。医師からは「子宮留血腫を何度も再発しているなら、子宮を全摘するのもひとつの方法かもしれません」と言われました。子宮にある高度異形成を切除する円錐切除術をして、検査をしたのち子宮を全摘することが、将来を考えると最もよい方法かもしれないと。親も彼も、その話を聞いてすぐ「手術をしたほうがいい」と即答でした。「命がいちばん大事だし、美鈴には生きていてほしいから、子宮の温存を考えるよりも切除したほうがいい」って。

── 荒木さんご自身も、親御さんや旦那さんの意見に納得されたんですか?
荒木さん:私としては、仕事を休んで、関係者の方々に迷惑をかけることがいちばん心配で。「今の仕事がひと段落してからのほうがいいのでは」と思っていました。彼にそう言うと、「命と仕事、どっちが大事なの?」って怒られるみたいな感じになったんですけど。
ただ、そこで調べたときに、体への負担が比較的重くない手術法があることがわかったんです。