「少子化の推進派?」誤解や批判に難しさ感じ

── 気持ちを切り替えられたとのことですが、実際に日常生活を過ごすなかで、生きづらさやとまどいを感じたことはありましたか?

 

くどうさん:肩身が狭いと感じることはありました。ただ、私の周りには子どもがいない人が多かったので、「違う立場である、子どもがいる女性の本音も聞いてみたい」と思い、市が主催する「女性活躍社会について」の意見交換会に参加したのです。これがなかなか衝撃的な経験となりました。

 

参加者の9割以上が子どものいる人で、子育てと仕事の両立の大変さや、その解決策として男性の意識改革、働き方改革、子育て支援強化などさまざまな意見が出ていました。子育てが議論の中心になるのは当然の流れですが、「女性活躍社会」は子どものいる女性に限らず、子どもを持たない女性も含まれます。そこで私は、子どものいない女性に寄り添う活動経験をもとに発言しました。

 

「私は子どもを持たない女性に関する活動をしていますが、子どもがいてもいなくても、女性にやさしい社会になってほしいと思います」と発言したら、一瞬、場の空気が凍りついたんです。少し間を置いて、皆さんから意見が出始めたのですが、「日本は少子化が進んでいるから、女性には子どもを産んでもらわないと困る」という人や、60代の女性議員からは「市でも出生率を上げる目標値があり、そのために頑張っているんです」と険しい顔で言われました。

 

私は、決して少子化を後押ししているわけではなく、子どもがほしくても産めなくて傷ついている女性も含めて、すべての女性が社会のために何かできるはず、輝けるはずだと伝えたのですが…。社会的には「女性は子どもを産むべき」との考え方が根強いということを痛感させられました。

 

当時は、私たちが少子化を推進しているのではと誤解を受けることも多くて。「子どものいない女性」の立場を理解してもらうことの難しさ、孤独感をそのときは強く感じました。

 

取材・文:岡本聡子 写真:くどうみやこ・森下えみこ、小学館