「だって、おじさん同士が体をくっつけて稼ぐ仕事なんてほかにないですよ」。自身のボディーアートをそう客観視するお笑いユニット・ビックスモールンのゴンさん。代名詞の「鳩時計」が海外でバズったのをきっかけに、動画の総再生回数は42億回以上に。そこには涙ぐましい努力がありました。
SNS動画に来た数千件のコメントに全返し
── ビックスモールンさんといえば、海外でバズった「鳩時計」などのボディーアート(アクロバティックな体の動きを活かした形態模写)の動画が印象的です。そもそも、動画に力を入れ始めたきっかけは?
ゴンさん:最初は『エンタの神様』とかテレビにも出させてもらっていたんですが、ものすごく売れている人たちを横目に見てて。自分たちが売れている自覚は全然ありませんでした。
そのいっぽうで、スマホが普及し始めたころからSNSの動画には注目をしていて、2019年ごろに、TikTokを始めたんです。チロに「始めたほうがいいよ」って声をかけてたんですけど、いっこうに動こうとしないから結局、僕がひとりで動画作りを始めました。それで、「鳩時計」の動画を作ったときに、アメリカの女子高生たちがこぞって真似してくれて、たくさん拡散されたんです。
当時は僕らみたいに人前で芸をやる人がSNS動画に参入することは珍しかったから、芸歴20年の僕らの「鳩時計」が目立って、一気に動画の再生回数が伸びました。

その後、すぐにYoutubeのショート動画が流行り出して。それも早い段階から始めて数字も伸びたんですけど、それって涙ぐましい努力の賜物でもあって。僕、動画の編集からコメント返しまでひとりでやってたんですよ。世界中からくるコメントに、1日で3000件とか必死で返事して。アラビア語のコメントにも日本語に変換してから返事を書いてアラビア語に変換して、と地道で地味な努力をしていました。でも、3000コメントが限界でしたね。頑張ったかいあって、アメリカとアジアでバズってくれました。
── 3000コメントに全返しって…本当に涙ぐましい努力ですね。ボディーアートはアナログなイメージがありますが、ネットを舞台に置いた戦略はさすがのひと言です!
ゴンさん:ありがたいことに、今では、海外の子どもからお年寄りまで、いろいろな人に見てもらえるようになり、僕たちの「ボディーアートで世界を笑顔にしたい」という夢が着実に叶っていると感じています。とはいえ、まだまだ志半ばなので。ひとりでも多くの人にボディーアートを見てもらおうと、小さな笑いを誘うような日常的なネタもショート動画として公開しています。
アメリカ、アジアなど、海外で芸を披露する機会も今ではすごく増えましたが、これからはAIの発達にあわせてリアルなパフォーマンスも大事になってくると思っています。AIを取り入れながらも、まさにボディーアートで目の前のお客さんが笑顔になってくれる場をもっと増やしていくつもりです。だから、呼ばれればどこにでも喜んで行きますよ!