実家の片付けを経て「今朝も7袋捨ててきた」

── 不要物の仕分けはご家族でやられたのでしょうか?
香坂さん:父も一緒にやったのですが、物を手に取りながら「これはどうのこうの…」と思い出を語りながらなかなか捨てられなかったり、「それも捨てちゃうの?」と未練を持った様子で言ったりしていたので、説得しながらやりました。最終的には妹と私が中心になり、「いくよー!」と声をかけながら2階の窓から庭に物をどんどん投げて(笑)。みんなでやったからこそ乗り越えられた感じはあります。
── その経験から、感じたことはありますか?
香坂さん:「自分のものは自分で片付けておかないといけないな」と強く思いました。うちは息子が2人いますが、もし将来のパートナーが手伝ってくださることになったとしても、それを任せるのは違うなと思ったんです。だから、なるべく今のうちに物を減らしていこうと意識しています。実家の片付けをやってみて、私自身も自分の家の布団や枕を見直してみると、「こんなに必要ないのでは?」と思うものがいっぱいありました。
── 物との向き合い方が変わったのですね。
香坂さん:変わりました。今朝もゴミ袋を7つ捨ててきました。時間を見つけては物を処分するようにしています。でもなかなか難しいこともあるんですよね。シーツなんかも、ヨレヨレのものは処分したいとは思いつつ、洗ったらなぜかまた畳んでしまってしまう…みたいなことはありますから(笑)。
…
「捨てるだけで数百万円」。その現実を前にして、香坂さんが感じたのは、「残された人の負担の大きさ」でした。
親の家も、自分の家も、気づかないうちに物は増えていきます。そしてその片付けは、いつか必ず「誰かの仕事」になる。そう考えたとき、私たちにできることは、「まだ元気なうちに、少しずつ減らしていく」という選択なのかもしれません。
あなたは今、自分の持ち物と、どんな距離感で向き合えていますか?
取材・文:石野志帆 写真:香坂みゆき