治療費は年360万円「公的助成に生かされてる」

奪われたのは、時間や仕事だけではありません。人工透析にかかる費用は月に30万円以上、年間では360万円以上にのぼります。芸能事務所に所属するものの、保障のないフリーランスであるグレート義太夫さん。病気で仕事を失えば即、生活は破綻します。

 

「以前に比べ収入は激減し、経済的には正直かなり厳しいです。ただ、公的医療助成制度などのおかげでこうして無事に生きられています。特定疾病の受給者証などの助成金を得て、自己負担を最小限に抑えながら治療が受けられるんです。東京都はとくに手厚くて、人工透析は無料。本当にありがたいです」

 

いっぽうで、「人工透析なんて不摂生のせいだ。自己管理もできない人に税金を出す必要はない」という厳しい声に、心を痛めることも。

 

「僕が自己管理できないダメ患者だったのは否定しません。自分の病気への向き合い方が悪かったのはわかっているんですが、不摂生だけではないことも知ってもらえたらと思います。

 

じつは遺伝が原因で糖尿病になるケースもある、と医師から告げられたんです。たしかに僕の父も糖尿病でした。やせていても健康的な生活を送っていても、糖尿病を発症する可能性があるのに、それがなかなか理解されていない。不摂生以外の原因についても、多くの人に知ってもらえたらとは思います。

 

僕は今、税金で生かされています。だからこそ、糖尿病の怖さや向き合い方を伝える講演などで、少しでも恩を返したい。ダメ患者代表の僕が、自己管理の大切さを伝えたら説得力があるでしょう?糖尿病患者の方が、ひとりでも多く病気の進行を抑えることにつながればと思っていながら、今日も生きてます」

 

取材・文:齋田多恵 写真:グレート義太夫