2007年、イベントの最中に意識を失ったグレート義太夫さんを待っていたのは、一生続く「人工透析」という、時間とお金を吸い上げられる日常でした。週3回、各5時間の拘束。それは華やかな舞台や長期の仕事を断念させる、非情な足かせとなりました。年間360万円にのぼる治療費と、保障のない仕事の脆さ。病に倒れたとき、人はどう自分を立て直すのか。リアルな葛藤を伺いました。

「このままでは死ぬ」と医師に言われた日

2007年、あるイベントのMCをしているときのことです。大声を出した矢先に、グレート義太夫さんはフッと意識を失いました。「これはおかしい」と病院に行ったところ、即入院と言われたそうです。

 

「検査をすると、腎臓がほとんど機能していなくて。『人工透析をすぐ始めないと死ぬレベルです』と言われました。重度の貧血にもなっていて。たしかにとても疲れやすく、階段も息切れして登れないほどでしたが、まさか人工透析を受けることになるなんて…」

 

じつはグレート義太夫さん、1995年に糖尿病を患って以来、医師からは「きちんと治療しないと人工透析になります」と、釘を刺されていました。ただ、自覚症状がないため、通院や食事管理を怠っていたそうです。

 

グレート義太夫
週15時間、透析治療が行われる

「糖尿病が怖い病気と理解していたものの、心のどこかで自分だけは大丈夫と思っていたんでしょうね。現実を突きつけられたのは、人工透析のためのカテーテル手術を受けたときでした。

 

人工透析では体の外に血液を取り出し、機械でろ過して再度、体に戻します。僕はすぐにでも透析をしないと危険な状況だったので、太い血管にカテーテルを入れ、すぐに透析を始めることに。『大変なことになったぞ…』と、その段階でようやく実感しました。なぜもっと前から、危機意識を持たなかったのかと後悔しましたが、もう手遅れです。透析治療は一生続くわけですから」