「私、女優なのに何やってるの」おせちを詰めながら流した涙

ルビー・モレノ
現在も女優業に力を入れているルビー・モレノさん

── アルバイトをされていたんですね。

 

ルビーさん:たくさんやりましたよ!工場でおせちの具材を容器に詰めたり、ケーキやお惣菜を詰める仕事もしました。顔がバレたくなかったので、マスクと帽子とエプロンで正体が隠せる仕事ばかりを選んでいました。一度、休憩室でマスクをとった顔を見られて「ルビー・モレノに似てるね」と言われたことがあったけど、「似てるって、よく言われるの」とごまかしたりして(笑)。

 

── かつてのスターが工場で働くことに、抵抗はありませんでしたか?

 

ルビーさん:アルバイトを始めたばかりの頃は、まだ心のどこかで「みじめな思いをしたくない」という気持ちがあったんだと思います。食材を容器に詰めながら「私、女優なのに何やってるの」と涙が出たこともあります。



でも、必死で作業を続けていたら、そんなことはどうでもよくなって。みんなそうやって毎日働いて、日々幸せに暮らしている。そして「これが私のリアル!」と思えるようになったんです。そうしたら、仕事もどんどん楽しくなっていきました。今では、アルバイトがすっかり楽しくなっています。
 

 

「かつての私なら、こんな仕事はしなかった」。 そんなプライドが、自分を苦しめていることはありませんか。

 

主演女優賞の栄光を捨て、マスク姿で工場に立ったルビーさん。彼女が流した涙のあとに見つけたのは、誰の目も気にしない「本当の自分の人生」でした。 積み上げたものを失う恐怖。けれど、それを手放した瞬間に始まる「新しいリアル」も、案外悪くないのかもしれません。その生き方と、あなたの明日はどう重なりますか?


取材・文:大夏えい 写真:ルビー・モレノ