「過去の私」を知らない夫との出会い
── そこからどのような転機が?
ルビーさん:流れが変わったのは、今の夫と出会ってから。友達のパーティーに招待されて、歌を歌う機会があったんです。参加していた人たちが「ルビー・モレノだ」「懐かしいな」と寄ってきてくれるなかで、「誰ですか?」と言ってきた人がいました。
彼は海外勤務が長くて、私が映画に出ていた時期もイギリスにいたので、私のことをまったく知らないうえに、芸能人にも興味がない人だったんです。周りの人が私のことを説明しても「そうなんだ」と、ピンときてない感じでした。
── 反応がおもしろいですね。
ルビーさん:そうなんです。仲良くなるにつれ、思い切って過去の話をしても、まるで興味がない。でも、私が悩んでいると、とても親身に話を聞いてくれました。
私は考えすぎてしまうところがあるのですが、彼の前向きさと明るさに救われましたね。考え方やマインドに共感する部分が多かったんです。なにより、おもしろい。彼が滞在する海外の宿泊先に「お仕事頑張ってね」という意味でお花を送ったんです。「ありがとう、綺麗な花だね」と言ってくれるかなと期待していたら、彼から電話がかかってきて。「なんか変な花が送られてきたんだけど!?」って(笑)。「あじさいだよ!」と言い返しました。
── (笑)。
ルビーさん:「女優」とか「過去に世間を騒がせた人」とか、そういうレッテルをいっさい貼らずに自然に接してくれる彼。気をつかわない関係が心地よかった。出会って2年後に結婚して、そこから昔のことをあれこれ考えなくなりました。
夫との生活を大切にしようと思えば思うほど、昔のことが完全に「過去」になっていったんです。そうしたら、「女優だったのに」とか「賞をとったのに」という変なプライドもなくなりました。全盛期のときのように仕事はない。だったら、今の普通の生活を楽しもう!といろんなアルバイトを始めたのもその頃です。