母の希望を自分の夢とすり替えて生きた
── 11歳からは4年半ほど、英国へ留学されたそうですね。
UKさん:僕に「何かひとつでも特技を身につけさせたい」という親の希望から留学することになったんです。母からの命令は、常に絶対でした。
留学生活はそれなりに充実していました。ところが、留学を強く勧めたくせに「日本に帰らないと芸能活動ができないから」と母が帰国を促してきて。最終的には経済的な事情もあって15歳で日本に戻り、芸能活動を再開しました。

当時の僕はとにかく「母の期待に応えなければ」の一心で。母がつき合ってほしいと思う友達と無理をしてつき合って、母が喜びそうなことを言う。母が目指してほしいことを自分の夢とすり替えていたんです。
── 無理をして、すべてお母さんの言いなりにならざるを得なかったということでしょうか。
UKさん:当時は、そうですね。とはいえ、母から嘱望されるままやっていた芸能活動自体は、決して間違ってはいなかったと思うんです。大学を卒業してからいままで25年間、人前に出る仕事でお金を稼いで生活ができているんですから。
でも、自分の意思ではなく他人の意思に従順に合わせていると、結局、判断基準がわからなくなる。当時の僕は、母親に認められ、ほめてもらいたくて、要求に応じすぎていました。違和感を抱きながら「母が求める息子像」を演じれば演じるほど、気持ちは枯渇していました。
今思えば、幼少期からずっと母のために生きてきて、それ以外に何が幸せなのかわからない状態だったと思います。