「全国24の競艇場を、100万円ずつ持って巡るのが俺の夢」。そう語る夫・梅沢富美男さんに、妻・池田明子さんは「行ったほうがいいよ!」と背中を押します。かつて父の「愛人への送金」を担い、夫の「80回の浮気」をやり過ごし、実家の巨額な負債さえも飲み込んできた。そんな激動の歳月を経て辿り着いたのは、相手を正論で裁かない「白黒つけない」という覚悟でした。終活よりも、今の雑談を。正しさよりも、自分の平穏を。波乱万丈な人生を「面白がる」ことで自分のものにしてきた池田さんが語る、熟年夫婦の「グレーを受け入れる幸せ」の正体とは。
娘の独立後、還暦で「合宿免許」へ

── 結婚36年目。2人の娘さんもすでに独立され、夫婦2人きりの暮らしになったそうですね。
池田さん:一昨年の5月に次女がひとり暮らしを始めてからは、私たち2人になりました。とはいえ、夫の事務所も近く、我が家にはいろんな人が訪れるので寂しくはありません。夜遅くに、ようやく2人きりになるという感じですね。
── 2人になって、生活に変化はありましたか?
池田さん:60歳を過ぎてから、若い人に混じって免許合宿に参加し、車の免許を取りました。次女がいたころは、お酒を飲む夫の送り迎えを彼女がしてくれていたんです。次女が家を出てからは「今度は私が運転をしよう」と思って。今は父のお墓参りや仕事の往復でも運転しています。