いじめは「聞き流す作業」。すべては芸大へ行くためのステップ

── ガラスづくりをしたことはあったのですか。
大河内さん:初めて体験したのは、中学1年の夏休みです。親が、自宅から車で2時間以上かかる滋賀県の黒壁へ連れて行ってくれました。吹きガラスでコップを作ったのですが、思うように膨らまなくて想像以上に大変でした。「こんなに肺活量がいるんだ」って。
親は、「一度体験すれば気が済むだろう」と思っていたみたいですけど、私はそのとき、「将来、絶対にこれをやる」と心に決めていました。翌日にはパソコンでガラスを学べる学校を調べて、高校より先に、行きたい大学が決まりました。
── 中学校では、いじめは収まりましたか。
大河内さん:いえ、さらにひどくなりました。2つの小学校が統合されたので、半分の人たちは私を知らないはずなんです。でも、入学して3日後には、別の小学校の子から「死ね」と言われました。たぶん、同じ小学校だった子が話したんですよね。「バイオハザード」から取った「バイオ」というあだ名をつけられて、心ない言葉をたくさんぶつけられて。何を言われても聞き流して、耐える日々でした。
「私はガラスをやるために、芸大に行く」。そのためには、中・高を卒業する作業が不可欠でした。どんな暴言を吐かれても、それは「大学へ行くためのステップ」として聞き流して。感情を殺し、ただ淡々と学校に通い続けました。