いじめられっ子からクラスのヒーローに一変

── お母さんは夜勤もされて働きどおしだったそうですね。ひとりの時間が多く寂しい思いもされたのではないでしょうか?
緑川さん:母はずっと働きどおしで夜勤もしていました。朝は私が小学校に行ってから帰宅するのですれ違いでした。まだ幼かったですし、寂しくないと言えばうそになりますが、考え始めたら寂しくなるので考えないようにしていましたね。
当時、母とはノートで交換日記のようなやり取りをしていたんです。毎日そのノートを読むのが楽しみで学校から帰っていました。私が「今日学校でこんなことがあった」とか、聞いてほしいことを書いておくと、母からの返事が書かれていて。学校でいうところの連絡帳の家族版みたいなものですね。そういう意味ではすごく親子のコミュニケーションが取れていました。
── 学校生活でも貧しいがゆえにつらかったこともあったそうですね。
緑川さん:最初はやはりいじめられました。買えないものが多いので、筆箱はなく、鉛筆を輪ゴムで結んだだけだったり、お菓子の箱に入れたりしていたこともあって。服は兄のおさがりを着ていましたし、そういう部分でいじめられてつらいなと思ったこともあったんです。
けど、私、運動神経がよかったんですよ。友達が自転車で移動するときは、自転車を買ってもらえない私はいつも横を走っていたんですけど、そのおかげですごく足が速くなっちゃって(笑)。小学校のときって、足が速い人はヒーローになるじゃないですか?中学年でも6年生より早かったので、クラスメイトからはヒーロー扱いされて。それでいじめはすっかりなくなりました。