「私を誘っている?」彼女の母親から疑われ
── 新宿2丁目にですか。なぜでしょう。
ヨネスケさん:2丁目のママたちは、男女の気持ちが両方わかるし、観察眼があって人を見る目がシビアなんですよ。「あの子はちょっと注意したほうがいい、金目的よ!」とか、「こういうところがあるわね」とズバっと指摘してくれる。その言葉には妙に説得力があるんです。
これまで気に入った女性を連れていくたび、「やめときなさい」と言われてばかりでした。でも、今のカミさんを連れていったら、「あの子はとってもいい子よ。絶対、一緒になんなさい」って、背中を押されたんです。
── なるほど。厳しい審美眼に叶った相手なら間違いない、と。交際はどのように進んでいったのでしょう。
ヨネスケさん:出会ってすぐのころ、アプローチするために、彼女と85歳になる彼女のお母さんと「3人で食事に行こうよ」と誘ったんです。

── 3人ですか。なぜいきなり彼女の母親を…?
ヨネスケさん:相手に気に入ってもらうには、相手の母親の心を掴むことがいちばんの近道なんです。母親に気に入られれば話がスムーズに進むし、心強い味方になってもらえる。これまでの経験からそう実感していました。それに、落語の世界でも、「師匠に気に入られたかったら、まずは女将さんに気に入られろ」が鉄則です。ただ、彼女のお母さんは最初「私が誘われているの?」と、思ったみたいです(笑)。
── たしかに、娘さんよりお母さんご自身のほうが、ヨネスケさんと年齢も近いですからね(笑)。その懐柔作戦、うまくいきましたか?
ヨネスケさん:長年、一般家庭にお邪魔して晩ご飯風景をレポートする『突撃!隣の晩ごはん』のロケ番組をやってきた経験が生きました。人の懐に飛び込んでお母さんたちの心を掴むことはけっこう得意なんです。お年寄りとの会話にも慣れているし、食事のネタやクイズをして場を盛り上げて、お母さんにも気に入ってもらうことができました。
そのかいあって、交際をためらっていた彼女の心も動き出したんです。その後、結婚することになったときも、まったく反対されませんでした。「陽子のこと、よろしくね」と、言葉をかけられたときは、涙が出そうになりました。