「熟年離婚による独居男性の孤立」が現代日本の課題に挙げられる昨今、『突撃!隣の晩ごはん』で昭和や平成の食卓を歩き続けたヨネスケさんも、その当事者になっていました。40年連れ添った末の別離、そしてコロナ禍の孤独。うつ病を患った姿は、誰にでも起こりうる「シニアの社会的孤立」を物語ります。76歳で選んだ再婚。孤独の闇を知った男が、今、噛み締める「寂しさの先」に迫ります。

離婚の原因は家庭を顧みなかったから

── 1985年から25年以上続いた『突撃!隣の晩ごはん』。大きなしゃもじを手に、一般家庭の夕食にアポなしでお邪魔する唯一無二のスタイルでお茶の間に親しまれたヨネスケこと、落語家の桂米助さん。66歳で熟年離婚し、2024年には20歳年下の女性との再婚が話題を呼びました。10年間の独身暮らしを経て、再婚を意識するようになるまでには、どんな心境の変化があったのでしょうか。

 

ヨネスケさん:最初は再婚なんて考えていませんでした。離婚の原因は、僕が家庭を顧みなかったことです。『突撃!隣の晩ごはん』のロケで全国を飛び回って、しかも飲み歩いてばかりで、1か月に3~4回ほどしか家に帰らない時期が何年もありました。あるとき、些細な夫婦ゲンカで「じゃあ離婚でもするか!?」と勢いで言ったら「上等よ」と。自業自得ですね。

 

ヨネスケ
若かりしころのヨネスケさん。『突撃!隣の晩ごはん』でお茶の間の人気ものに

── 熟年離婚というと、女性は第2の人生を謳歌する人が多い一方、男性は孤独を感じてしまうケースが少なくないと聞きます。

 

ヨネスケさん:よくそう言われますし、その気持ちもわからなくはありません。ただ、僕の場合は、寄席などの仕事があったし、夜は新宿2丁目で飲み歩いて、そこでのコミュニティに救われていたから、そこまで寂しさを感じたり、孤独でつらかったという感じではなかったんです。

 

行きつけのバーで年代の近いママに話を聞いてもらったりしました。落語のことで悩んで「なんでウケねえんだろうな」とか「もの覚えがだんだん悪くなってきて」と、グチをこぼすと「あなたの好きなようにやったらいいのよ」なんて励ましてくれたり。そうしたやりとりが心の支えになっていたんです。