本気で、本音で子どもたちには向き合い続けた

── お話を伺っていると「子どもを管理しない」という姿勢が一貫されていますね。再婚するときは、お子さんたちにどのように伝えてきたのですか?
ペピーさん:人生はそれぞれのものです。私は私の人生を生きるし、子どももそう。ですから、再婚したときも「あなたたちのお父さんは一人だけ。再婚相手はペピーの旦那さんだから」と伝えていました。それでも再婚相手とは穏やかな関係を保ちつつ、子どもたちは父親が違うことを感じさせないほど強いきずなで結ばれ、困ったときには当たり前のように支え合ってきました。
心がけてきたのは、本気で、そして本音で向き合うことです。学校でも同じです。「先生だって人間だから間違うことはある。何でもハイハイと言うイエスマンになるんじゃなくて、納得できないことは納得できないと言って対話をしなさい」と伝えてきました。自分の感覚や考え方を大事にしてほしかったからです。
間違ったら本気で叱り、子どもが理不尽な目に遭ったら相手が誰でも徹底的にかばって防波堤になる。そうすることで子どもにとっての絶対的な安心感が育ったんじゃないかと思うんです。
子どもたちは敬意をもって接してくれていましたし、誰も反抗期がありませんでしたね。
── 5人とも反抗期がなかったというのは驚きです。
ペピーさん:自立していないうちは、人として当たり前のことは伝えます。スペインでは、家族が気持ちよく暮らすために家をきれいに保つ習慣があり、私も子どものころから守ってきたので、わが家でも片づけは徹底してきました。どんなに急いでいても、ベッドを整えてからでなければ学校へ行かせません。遅刻して困るなら翌日から早く起きればいいだけです。
ある日、優が出かけたときに部屋が散らかっていたので、すぐ電話をして呼び戻し、片づけをさせてから送り出したこともありました。
── そこまで厳しくするのは、どんな思いからですか。
ペピーさん:子どもが未成年のうちは、親は「怖い存在」でいいと思っています。子どもの顔色をうかがうのではなく、ルールを守らないときは毅然と叱る。それが親の責任ですから。
反抗期ではないのですが、優が高校生のとき、私に「ババア」と言ったことが一度だけありました。彼はすでに身長が高く、正直「逆ギレされたらどうしよう」と怖さもありましたが、許すわけにはいきません。「今の言葉、私の目を見て言えるの?」とひるまず向き合いました。
少しでも生意気な口をきこうものなら厳しく正してきました。親が状況に応じて態度をころころ変えると、子どもは迷ってしまうので一貫してぶれない態度で向き合ってきました。よその子でも目に余る行動をしていたら、もちろん叱りますよ。間違っていることは間違っていると、大人が伝えなければいけないと思うからです。