「36年彼氏なし」で笑いを取ろうとしない訳
── なぜ自分を大切にしようと思ったのでしょうか?
吉住さん:「私なんて…」と卑下するのは、私に共感してくれた方にも失礼だと思ったから。たとえばバラエティ番組で、36年間、彼氏のいないことが話題になることがあります。でも、それは事実として伝えているだけ。恋愛経験がないのはいけないとか、彼氏がいない自分はダメなんて自分を下げることはしない。だって悩むことはあってもそれが私の人生だし、だからこそいまの私がある。それに私と同じようにパートナーがいない人や、私に共感してくれている人のことも否定することになりかねないから。
人前に出る仕事をしているからこそ、言動には責任がともなうというのを、決して忘れてはいけないと感じています。
── 吉住さんが自分を大切にするのは、ファンの方たちを尊重することにつながるのですね。
吉住さん:とはいえ、バラエティ番組では笑いをとることを優先することも…。やっぱり収録中は「ここで自分を下げたら笑いが取れそう」という瞬間がある。
そういうときは迷いつつも、目の前の笑いを取りにいってしまうことも。それが私の芸人としての弱さだと思っています。だから、自分のラジオ番組で真意を説明することもあります。一方、放送後、テレビに出るなかで、自分の強みも見つけられることもあります。
── それはどんな部分でしょうか?
吉住さん:平均的な顔立ちをしているところです。「親戚に似ている」とか「クラスにひとりはいそうな顔」と、言われることもあります。これって、目立ってなんぼの芸人の世界ではマイナスに見えて、じつは私の場合はプラスに働くなって思ったんです。
なぜかというと、たとえば主婦役でも、飲食店のウエイトレス役や会社員役でも、どんな役を演じても浮かないから。どんな役を演じても、お客さんにはなぜか既視感があって違和感なく見てもらえる。これが「ふつうの顔立ちの私」だからこその武器で、私の芸を「ああいう人いるな」と思って、自然に見てもらえるメリットだと思っているんです。