不安や悩みを抱えつつ「楽しい姿」を発信したい
── 先ほどもお話があったように、吉住さんはバラエティ番組で恋愛経験がないことを話題にされることがあります。一般的に、恋愛や結婚について聞かれる機会が増えると、とまどいや違和感を覚える人も多いように感じます。その点についてはどのように受け止めていますか?
吉住さん:恋愛経験のなさをフォーカスされるのは、私に他のエピソードがないから。もっと別のインパクトのある何かがあれば、恋愛について聞かれることはないかもしれないなあと思います。
ただ、どうしてこんなに恋愛のことばかり聞かれるんだろう?と感じることもあります。なんとなくですが、男性芸人だったら、そこまで彼女いる・いないを深堀りされないんじゃないかなとも思います。ほかにも「ふつうは恋愛をしているもの」という雰囲気に違和感を抱いたり、私と同じように恋愛経験がない人も、じつはけっこう多いのでは?というふうにも感じます。

── たしかに日常生活を送るなかでは、人がどんな恋愛をしているか、全部を知っているわけではないですよね。
吉住さん:「恋愛をしたことがない」悩みって、人に打ち明けにくくて。誰かに相談しても、相談された側も「どう答えたらいいのかわからないのでは?」とも思います。それどころか、「困らせてしまうかも…」と、ひとりで悩みを抱えてしまう人もいるかもしれません。
私もずっとひとりでいることに、ときどき不安になることがあります。「このまま恋愛経験がないままだったら、どうなるんだろう?」と心配で眠れなくなることも。なんとかしなくては!と勢いでマッチングアプリに登録したりして…。
でも、私の場合、恋愛以外でも悩みが多いんです。たとえばバラエティ番組の収録を控えているときは、うまく話せるか心配で、そのことばかりが気になってしまいます。日によって悩みが変わるし、目の前のことと向き合うので精いっぱい。時間に余裕のあるときが、いちばん不安になってしまうかもしれません。
── 忙しいときよりも、少し余裕ができた瞬間に不安が顔を出すこともありますよね。そうした思いと、いまはどんな距離感でつき合っているのでしょうか。
吉住さん:いろいろ悩みはあるけれど、人生が80〜90年あるとしたら、まだ人生の折り返し地点にも来ていないわけです。これから何があるかわかりません。恋愛にこだわらなくても、別の生き方だってあるはず。目の前のことすべてのことを楽しんでいけば、充実した時間を過ごせる気もします。
私にできるのは不安もあり、悩みもありつつ、楽しく過ごしている姿を発信することかな?という気もしています。人前に出る仕事をしている私が、なんだかんだで充実した生活を送っているよ、と伝えることはけっこう大切なんじゃないかと思っていて。「自分も吉住さんみたいに楽しく過ごそう」と、誰かが励みにしてくれたらうれしいです。
取材・文:齋田多恵 写真:吉住