ある日突然、人と会食すると苦しくなった。コミックエッセイ『外食がこわい 会食恐怖症だった私が 笑顔で食べられるようになるまで』で過去の実体験を明かしたなつめももこさん。10年にも及んだ通院のきっかけは、飲食店でのごく普通な出来事でした。

食べるのが大好きだったはずの私が… 

── もともと食べることが大好きだったなつめさんが、「外食がこわい」という感情に襲われたのは、知人との食事で訪れたとんかつ屋さんでのことだったそうですね。食べきれなかったことがきっかけだったとか 。

 

なつめさん:はい。とんかつ好きなので、いつも通り「おいしい」と思っていたはずが…なぜだか気持ち悪くなってしまって。「頭から油をかけられている」みたいでした。 

 

コミックエッセイ『外食がこわい 会食恐怖症だった私が 笑顔で食べられるようになるまで』
コミックエッセイ『外食がこわい 会食恐怖症だった私が笑顔で食べられるようになるまで』より

──「仕事が忙しい」などといった、予兆はあったのでしょうか? 

 

なつめさん:私の場合は当時、特に予兆のようなものはなく、ある日、突然…。もしかしたら仕事の忙しさなど、環境的な要因があったのかもしれませんが、私の意識するところにそういった出来事があったわけではありませんでした。

家では大丈夫、人前では食べられない葛藤

── 翌日、家で朝食をとるも食欲はいつも通り。胸やけのような苦しさはなく、ご飯は普通に食べられたそうですね。しかしまた問題が…?

 

なつめさん:はい。別の機会に外食をしたときも、同じような症状が出てしまいました。食事どころか、お水を飲むことさえ難しくて…。

 

コミックエッセイ『外食がこわい 会食恐怖症だった私が 笑顔で食べられるようになるまで』
コミックエッセイ『外食がこわい 会食恐怖症だった私が笑顔で食べられるようになるまで』より

── 楽しいはずの誰かとの食事が苦しい時間となってしまい、さまざまな戸惑いがあったかと思います。「人と食事をすると苦しくなる」と気づいたとき、どのような気持ちでしたか? 

 

なつめさん:「食べられないことに気づかれたくない」という気持ちがあったので、食事の場をどうやってのりきろうか…といった焦りがありました。どうやってごまかそうかとばかり考えていました。自分の料理が取り分けられるのを見ているのが怖くて、他のテーブルに話に行くふりをして席を立ったり。そこで、「私は何かおかしいみたいだ」と気づいたんです。 

 

──「飲み会が苦手」ということとは違うんですよね。

 

なつめさん:はい。ただ会社の集まりだけではなく、仲がいい相手や一緒にいたい相手でも、会食の場になるとのどが詰まって呼吸が苦しくなったり、ふるえたり、その場から逃げ出したくなるような症状が出てしまうんです。個人差があると思いますが、その点が私にはとても苦しかったです。