体型への批判的な意見も糧に

── 注目を浴びる存在でもあり、結婚後から世間からいろいろな言葉が寄せられるようになったと伺いました。

 

菊池さん:結婚する際もお金目当てじゃないかとか、いろんな声がありました。毎日働いて自分で生活をしていましたので、複雑な気持ちでした。世間からはいろんな反応がありましたね。もちろん反論はしませんでしたが、真実は違うのに、それによって周囲の方が悲しむ姿を見るのがいちばんつらかったです。

 

産後、メジャーリーグのオールスター出場の際に、久々にレッドカーペットを歩いて人前に出たときも私の体型への批判的なコメントが多く届きました。弁護士に対応を依頼してやりとりをするなかですべてのコメントを確認したのですが、私に向けられたマイナスな言葉は残念ながらすべて日本語でした。海外で生活しながら、夫のサポートと初めての育児に必死だった私は、自分のことはあと回しにしていました。

 

菊池瑠美さんと息子さん
元気いっぱいな息子さんとの2ショット

── 産後いつごろのことでしたか。

 

瑠美さん:2年後ですね。お手伝いさんも頼まず家事も育児もすべて自分でしていました。離乳食もすべて手作りで、現地では手に入る食材も限られるなか、栄養を考えてビーツやケールなどをすりつぶして食べさせていました。夜中、子どもが起きても夫を起こさないようにひとりで対応していましたし、運動をする時間はもちろん、自分の時間というものがいっさいありませんでした。

 

── まだまだお子さんも手がかかるころですね。

 

瑠美さん:オールスター出場もいきなり決まったので、ドレスを準備する間もなく、クローゼットにあったものを着て行きました。アメリカでみなさんが着ていらっしゃるような、タイトめなドレスを選んだことも影響したかもしれませんが、人さまに迷惑をかけていなくても、体型への批判が相次いで、正直、傷つきました。

 

でも、この出来事が、今まで大嫌いだった運動を始めるきっかけになったんです。物事にはふたつの側面があると、私は考えています。当時は悲しい経験をしましたが、その出来事が私にとって大きな転機となりました。フィットネスと出会ったことで前を向く力を得て、今ではみずからイベントを立ち上げるまでになりました。

 

言葉は人を傷つける可能性があって、知らないうちに誰かを傷つけているかもしれないという意識が必要なのかなと感じています。オンライン上であっても、面と向かってでも、相手への気づかいやマナーは必要ですよね。いろいろな経験があったからこそ、応援してくださる方を大切にしようという思いがより強くなりましたし、今こうして前を向いて歩んでいます。家族に対しても、友人でも、職場でも、いろんな場面で心の距離を健康に保つというのは大切なことだと感じています。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/菊池瑠美