元なでしことも今だからこそ過去を振り返って本音を
── 元なでしこジャパンのメンバーとは、プライベートでも交流されていますか?
永里さん:私がシカゴで生活しているので、そこまで交流は多くないですね。でも、川澄奈穂美とは、オリジナル企画『ナホナガトーク』で、毎月、対談しています。この企画は、コロナ禍に始めて5年間、70回以上公開しました。最初のころはコロナ禍の影響で時間に余裕があって、週1回のペースで続けていたんですけど、忙しくなり始めてからは月1回のペースで行っています。最近は、鮫島彩、近賀ゆかりにもインタビューさせてもらいました。
みんながサッカーで残してきた実績やプレーを、フォワードだった私の視点からわかりやすく伝え直す作業もしたいと思って、そういうつながりのひとつとして、一緒に活動を続けられたらと思っています。

── 同じチームで戦ってきた方々とは、今も変わらず強固な結びつきがあるのですね。
永里さん:そうですね。私の場合、どちらかというと、友人というより、仕事を通して長くつき合い続けることを大事にしていると思います。たぶん、そのスタンスは昔から変わらなくて、チームメイトを友人として見たことがないんです。
なぜかというと、サッカー以外の感情を入れたくなかったし、本気でぶつかりあえる仕事仲間として一緒に戦いたかった。自分たちが目指すものを、一緒につくり上げることにこだわりたかったんです。だから、日本代表のときもご飯を食べに行くことはあまりなかったですね。だけどそのぶん、会えば本音で話せる大切な仲間だと思っているし、今だからこそ当時のことを振り返って話せる関係性だとも思っています。
── オリンピックやワールドカップで一緒に戦ったころを振り返ることもあるんですね。
永里さん:はい。自分自身、過去をすべて受け入れられていることもあると思います。お互い一緒にプレーしなくなってからもう10年以上経ちますが、だからこそ、「あのときの感覚はすごく特別だったよね」と、みんな気づき始めているのを感じます。私自身も気づいた一人。みんなとは、ちょっと特別な関係なのかなと思っています。
取材・文:高梨真紀 写真:永里優季