4人の子どもを育て、イクメンのイメージが強いタレントのユージさん。ひと目惚れだったという奥さんは出会ったころ、ひとり息子を育てるシングルマザーでした。彼女の息子が、母子家庭で寂しい気持ちを抱きながら育った自分の姿と重なったユージさんは、一緒に彼女の子どもを育てようと決意して結婚。自分の家庭を持ち、子育てについて感じる両親からの影響とは…?
彼女をひと目見た瞬間「僕はこの人と結婚する」

── ユージさんは2014年に結婚されましたが、奥さんとはどうやって出会ったのですか?
ユージさん:芸能の仕事をしているけれど、まだ稼いでるとは言えないような時期に出会いました。先輩が経営している飲食店でときどきまかない飯を食べさせてもらっていたのですが、そこにお客さんとして来ていた女性をひと目見て、もう直感で「僕はこの人と結婚するな」と思ったんです。当時、僕が23歳、彼女は30歳でした。
── まさにひと目惚れだったんですね。
ユージさん:まだ声も聞いてない、名前も知らない状態で不思議なんですけど、いわゆるビビッときちゃったんですよね。それで先輩に「変なこと言っていいですか。僕、あの女性と結婚する気がします」と言ったのを覚えています。先輩は「じゃあ、しゃべりかけてこいよ」と言ってくれましたが勇気が出なくて、先輩が間を取り持ってくれました。そこからは他愛もない話をして、ときどき一緒にお茶をするようになりました。
デートを重ねてからやっと彼女の家に呼ばれた日、玄関の前で「ちょっと待って。入る前に伝えておきたいことがある。覚悟はできてる?」と言われたんです。僕は、部屋がとても汚いから恥ずかしいのかな、と思ったので「全然気にしないよ、大丈夫だよ」と答えると、彼女は「見てみらったほうが早いかもしれない」と。いざ部屋に上がってみると部屋はきれいだったのですが、見知らぬ男の子が手を振っていて、そのとき初めて彼女がシングルマザーで6歳のひとり息子を育てていることを知りました。
でも僕としては、その子が彼女の子どもで、夫とは別れているという2点がクリアできていれば、この恋愛に何の問題なかったんです。その日は彼女とのデートということは忘れて、息子と遊ぶ日にしようと決めました。僕自身が5歳からシングルの母に育てられたひとり息子として、子どものころひとりぼっちですごく寂しかったので、勝手に彼女の息子も寂しい思いをしているんじゃないかと想像したんです。昔の僕には寂しさをぶつけられる父親的な存在がいなかったけれど、彼女の息子は僕が救ってあげられるんじゃないかと思っちゃったんです。
── 彼女の息子さんが、子ども時代のご自身の姿と重なったんですね。
ユージさん:まさにそうなんです。僕の母は一生懸命お金を稼いで僕にいい教育を受けさせようとしてくれましたが、僕としては甘えたくても甘えられない環境で育って。どんどんグレていって人生のどん底を味わったので、彼女の息子を僕みたいにさせたくない、と変な使命感が生まれたんです。彼女の家に初めて行った日に、めいっぱい一緒に遊んでいたら息子から「帰らないでほしい!ずっと一緒にいて」と言われました。その日からすぐに同棲を始め、今日まで毎日一緒にいます。