どん底でも自分だけが不幸だと思わなかった
── 大学卒業後に英語の先生になるのが決まっていたなかで、漫才コンビ「非常階段」で活動されて、37歳のとき相方のミヤコさんが他界されました。以降、ピン芸人で活動をされたりと波乱万丈の人生だったと思います。
シルクさん:自分でも結構、波乱万丈な人生だったなと思います。でも、大変なときには必ず助けてくれる人が現れてくれました。つらいときにどん底まで落ちきったことも、今となってはよかったと思っています。これ以上、悩めないなと思うところまで落ちたことで、あとは這い上がるしかないと気づきました。
どんなにつらかったときでも、うっすらとでも希望の光を探していたように思います。あきらめたらだめだなと、少しでも思えたことで何度も立ち上がってこられたと思います。
── 大変な時期をどう乗り越えてきたのでしょうか。
シルクさん:そうですね…。どん底に落ちても、他人を恨んだり、自分だけが不幸だと決めつけたりしないようしていました。「今は悲しいけれど、きっとなんとかなる」と信じることで、手を差し伸べてくれる誰かが現れてくれるんです。自分ひとりではどうにもならないことも、周りの方が助けてくれる。だからこそ、投げやりにならないで、希望を失わない気持ちをもつことが大切だと思っています。
── 新しい書籍を出されるなど、ますます活躍されていますね。
シルクさん:今の目標は、健康や美容の相談を受けたときに、その人のライフスタイルを踏まえて、栄養面・運動面・メンタル面まで的確にアドバイスできるようになることです。そのためにも、知識をどんどん蓄えていきたいですね。将来的には、自分の年齢のステージが変わるごとに本を出していきたいと思っています。世代ごとに、私が培ってきた健康法やおすすめの美容法を伝えたいです。女性は年代によって必要なことがまったく変わりますから、それぞれに合った情報を届けられたらと思います。

── 美しく歳を重ねる秘訣などはありますか?
シルクさん:ダイエットの話題はいつの時代も多くの人の関心を集めますが、やはり、やせているだけではダメですね。未来の自分の体は、どんな栄養を摂っているかで決まります。だから「やせなきゃ」という考えにとらわれすぎないことが大切です。無理に急激にやせても、栄養がたりなくなり、体調や精神面にひずみが出てしまいます。歳を重ねるほど、健康な体で美しくなることが大事です。
そして運動こそ大切です。「運を動かす」と書いて運動。もちろん、年齢とともに体のたるみは出ますが努力できる範囲で受け入れる。美しい体は心も満たしてくれます。これからも年齢を楽しみながら、無理なくできるケアは取り入れつつ、知見を人に還元していきたいと思います。
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美しく、健康に、笑顔で歳を重ねる。さまざまな経験を経て、みずから道を切り開いてきたシルクさんだからこそ、その言葉にはたくさんのメッセージが込められていました。
取材・文/大夏えい 写真提供/シルク