ファンクラブが元受刑者の心の居場所に
── おふたりの活動が知られることで、元受刑者の居場所ができ、更生する機会が増えるのかもしれません。
Manamiさん:私たちのファンクラブがあるのですが、もしかしたらそこは元受刑者たちの居場所になっているのかな…と思うことがあって。もちろん、ファンクラブには一般の人も元受刑者の人もいますが、会員同士で集まるイベントの際、「じつは以前、服役していました」と、カミングアウトする会員もいると聞いたことがあります。すると、一般のファンの人たちはそういったことも理解し、お互いがふつうにファン同士として接するようになるようです。
Megumiさん:たぶん、ほかの場所では服役していたことを隠していると思うんです。でも、ファンクラブ内ではすべてをさらけ出すことができる。元受刑者でもありのままの自分でいられる場所になっているんじゃないかなと感じます。「もう2度と悪いことはしません。だって、また犯罪を犯してしまったら、もうこの場所(ファンクラブ)には戻ってこれなくなるから。だから、いまの生活を大事に頑張っています」と、言ってくれた人もいて。心のよりどころにしてくれる人がいると思うと、私も励みになります。
Manamiさん:もしかしたら、ファンの人たちはPaix2を支えにしてくれているのかもしれません。そして、私たちだって、ファンの方に助けてもらうことがたくさんあります。
先日、一緒に活動しているマネージャーさんが腰を悪くしてしまって。そのタイミングで北海道でのツアーをすることになり、その会場のひとつがお寺でした。すると、ファンクラブに入ってくれている元受刑者の人たちが、お寺の前で待っているんです。「どうしたんですか?」と聞くと、「マネージャーさんが腰を悪くした、って聞いて。機材は重いから大変でしょう?手伝いに来たんですよ」と、言ってくれて。
私たちはどんな場所も車で移動するし、音響機材も自分たちで運び、設営までするんです。本当に助かりました。この活動をしていると、人からの優しさに触れる機会がとても多いんです。誰かのためを思って行動すると、めぐりめぐって自分に戻ってくるんだなあと実感する日々です。本当にありがたいですね。
取材・文/齋田多恵 写真提供/Paix2(ペペ)