主人は「相方」ふたりで一緒に走ってきた

── ご主人の存在をひと言で表すとしたらどんな言葉になるでしょうか。

 

中村さん:芸人さんみたいですけど「相方」ですかね。主人が現役のときは自分も一緒に走ってきたという自負がありますから。

 

── 3人のお子さんの子育てをするなかで、中村さんご自身の両親に対しては、今、どのような思いを感じていますか。

 

中村さん:子育てをしているなかで、自分がどのように育てられたかを振り返ってみると、共働きで多忙だった両親からは、私が何か選択したり決断するときに頭ごなしにダメだとかうるさく言われたことはなかったんですよね。

 

ひとりで過ごす時間も多かったのですが、さみしい気持ちになることはなかったですし、友達と2人で遠方に旅することを許してくれたり、子どもという以前にひとりの人間として尊重してくれたんです。最終的に人生を歩いていくのは自分自身、両親はそういう考えを持っていました。

 

だから、私は何事においても失敗は怖くなかったですし、それも経験のひとつだと受け止められるんだと思います。

 

── いちばん下のお子さんは現在、小4です。中村さんの子育てはまだまだ続きますが、ご自身は今後何かやりたいことや夢、目標はありますか。

 

中村さん:最近は着つけを習ったり、司書資格を取得するための講習を受けているんですが、年齢を重ねても趣味を持っていたいと思いますし、人の役に立てることはすごく大事だなと感じています。

 

いつか子育てから手が離れるときが必ず訪れますが、これまで主人の人生に寄り添いながら生きてきたように、これからも力を合わせて一緒に走っていきたいですね。夫婦ともに生きるための準備をこれからもひとつずつ、ていねいに重ねていきたいです。

 

取材・文/石井宏美 写真提供/中村加奈子