「次の国の保育園は?」団員同士で盛り上がり

── 1日のタイムスケジュールはどんな感じですか?

 

池田さん:公演がある日は朝7時ごろに起きてお弁当を用意し、息子を保育園に送り出します。夕食の準備をして午後2時ごろに仕事場へ向かい、終演は夜11時ごろ。夫と息子はすでに寝ているので、帰宅後に少しリラックスしてから深夜1時に就寝する、という毎日でした。

 

── 池田さんのように、家族を帯同している女性パフォーマーは多いのですか?

 

池田さん:私が入団した当初はそんなにいませんでしたが、コロナ禍で公演が全休止したときに子どもを授かった出演者が多く、私もそのひとりでした。ただ、パパもサーカス関係者というカップルが多いですね。

 

── 池田さんの旦那さんはまったく別業界で働いているそうですね。

 

池田さん:うちのように、帯同しているパートナーが別業種というのは、シルク・ドゥ・ソレイユのなかでも珍しいパターンです。夫は私のやりたいことに賛同してついてきてくれましたが、本当にいろいろ大変だったと思います。本当は日曜大工などをしながら家にいるのが好きな人なんです。それなのに海外を周って、現地での保活が大変だったり、生活の労働時間が変わったり…。でも、事あるごとに「一葉のおかげで、いろんな国を見られたよ」とか「こんな経験ができたよ」と言ってくれて、家事や育児も助け合いながら一緒に頑張ってくれました。ありがたいことです。

 

──「団員ならでは」の子育てトークで盛り上がることもあるのでしょうか?

 

池田さん:「家族と世界を巡るツアー生活」というすごく特殊な環境での「子育てあるある」で盛り上がります。いつも「次の国で保育園、どうする?」みたいなことから始まって「シッターさん、見つかった?」などの話をしています。保育料は国によって違うので「ここの保育料とシッターさんの相場、高いよね~」という話になることも。同じショー内で子どもを帯同している親たちのグループチャットがあって、滞在先で英語が通じる小児科の情報とか、オフに行く子どもの遊び場とかについて、みんなで共有し合っていますね。